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国家公務員の総合職(国家総合職)は出身大学がモノを言う?年収や退職金は?

TAC公務員総合サイト、給料ドットコム、並びに、
2023大学ランキングより参考としています。

国家公務員の総合職を目指す人にとって、出身大学の優位性は果たしてあるのでしょうか?ランキング上位の大学卒以外の人は不利なのか、という点が気になる人は多いことでしょう。
当記事では、これらの疑問を解消するために役立つ情報を提供します。

国家公務員の総合職とはどんな仕事なのか

「地方公務員」が日本国内の地方自治体の公共機関の仕事をするのに対し「国家公務員の総合職」は、一般に「高級官僚」「キャリア職」とも呼ばれ、日本の中央官庁に従事する公務員を指します。国家公務員の総合職になると、中央省庁にて行政に関わる仕事を担当することになり、国家公務員という立場で国家の政策や予算編成に携わります。

すなわち、国家公務員の総合職とは、国家の運営に関する仕事を任された職務というわけです。このように国家の重要な職務に就く国家公務員の総合職について、その仕事内容と職務に必要とされるスキルについて、以下に解説しましょう。

国家公務員の総合職の仕事内容

国家公務員の総合職は「事務官」と「技官・技術職」の2つに区分され、国家公務員総合職採用試験の試験区分によってどちらの職務に就くかは採用時に決定されます。すなわち、事務官は文系、技官は理工系ということになります。

事務官の試験は「行政、法律、経済、政治・国際、院卒、行政」に区分されています。そして、入庁する省庁によって「法務事務官」「外務事務官」などと呼称され、それぞれの省庁で予算編成や法令作成などの総合事務的業務を担当します。

技官・技術職は、入庁した各省庁内で理工系の知識を生かした仕事に就く国家公務員に対する呼称です。「薬学」「化学」「生物学」などそれぞれが有する理工系分野での専門的知識を生かした仕事(厚生労働省技官なら新薬開発に関わる業務など)に従事します。

国家公務員の総合職に必要なスキル

国家公務員の総合職は「国民に奉仕する仕事」であることを認識することが必要条件です。したがって、自分の仕事が常に「社会に貢献しているか」を自認して働く公的使命感を持つことが求められます。

国家公務員の総合職として求められるスキルの代表的なものは「正義感の強さ」「協調性の高さ」「向学心があること」「忍耐力の強さ」などが挙げられるでしょう。公共的な仕事だけに、私利私欲を捨て去って国民の公僕として働くという意識を持つことと、そのためには、仕事に関する事象について常に探究し学習して知識をより深くする努力も必要です。

以上のように、一般には「キャリア官僚」というと高慢な人物というマイナスイメージがあるかもしれませんが、実際に国家公務員の総合職として出世するには、上記のような資質を持ち、真に社会貢献のために努力しなければならない立場といえるのです。

国家公務員総合職の出身大学ランキングは?


毎年、週刊誌などで「国家公務員総合職の出身大学ランキング」が発表されています。国家公務員総合職採用試験に合格しキャリア官僚を目指す人にとっては、同職と出身大学との関連性が気にかかることでしょう。

また「ランキング上位の大学を卒業していないと不利なのか?」という疑問を呈する人がいるかもしれません。そこでこの章では、国家公務員総合職の出身大学について、、ランキングをもとに現在の状況を解説しましょう。

最終合格と内定の違い

「国家公務員総合職採用試験」に「最終合格」したとしても、この時点ではまだ実際に国家公務員の総合職として採用されたわけではありません。次の段階として「内定通知」が届くのを待つ必要があります。

「最終合格」とは、国家公務員総合職採用試験の第2次試験に合格したことを意味します。
そして「内定」とは、試験合格者が国家公務員総合職に就くために希望する省庁を訪問する「官庁訪問」後、それぞれの省庁から就職を許諾する「内定通知」を受け取ることを指します。

このように、試験に最終合格しても即採用とはならず、規定のスケジュールに沿って官庁訪問を行い、内定通知を受け取るというプロセスがあるのです。ちなみに、最終合格した後に都合で省庁訪問をしなかった場合、有効期間は合格後3年間となっています。

最上位の国立大学の現状

「国家公務員総合職採用試験」合格者の出身大学で常に最上位を占めているのが、日本最高峰の国立大学として名高い「東京大学」です。2021年のランキングでは、362名が東大出身の合格者という実績で、2位の京都大学142名を2倍以上も上回るダントツ状態となっています。

2021年の大学卒・大学院卒の合格者合計が2,056名なので、東京大学出身者は約17.6%を占めており、合格者の約5.6名に1人が東京大学出身ということになります。しかしながら、2010年が約32.5%で2000年が約31.9%と、かつては3人に1人が東大出身だった過去と比較すると、合格者の東大占有率は徐々に低下してきているといえるでしょう。

上位の国立大学の現状

それでは東京大学・京都大学以外の合格者はどこの大学の出身者が多いのでしょうか?
2021年の「国家公務員総合職採用試験」合格者の大学別ランキングと合格者の出身大学の種類を見てみましょう。


2021年度国家公務員採用総合職試験の合格者発表
2021年度国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)教養区分の合格者発表

1位 東京大学  362人

2位 京都大学  142人

3位 早稲田大学  98人

4位 北海道大学 82人

5位 岡山大学   78人

6位 慶応義塾大学  75人

7位 東北大学  71人

8位 東京工業大学  70人

9位 九州大学  59人

9位 千葉大学  59人

9位 中央大学  59人


国家公務員総合職に有利な学識

数ある公務員試験の中でも国家公務員総合職採用試験は難易度が最も高いといわれています。それは、「旧帝国大」を中心とした有名国立大学出身者が合格者に多いことが証明しています。

事務官を目指す文系の人は大学で学ぶレベルの経済学や法学の知識が必要とされ、技官を目指す理系の人は自身が得意とする分野はもちろん、数学や英語などの他にも専門以外の分野でも最低限の基礎知識は要求されます。さらに、国家公務員として必要な資質である社会貢献に対する意識の高さや、組織人としての協調性や他人から好まれる人間性なども面接時での重要な評価ポイントといってよいでしょう。

ランキング下位の大学でも大丈夫?

国家公務員総合職採用試験には、一定の条件を満たし、大学卒以上の学歴があれば日本人なら誰もが受験できるので、出身大学別の差別はありません。ただし、合格者の出身大学のレベルを見ると、偏差値60~70程度の学力は必要といえるでしょう。

仮に、偏差値が上位ランキングの大学に満たない大学出身者であれば、試験合格を目指して受験まで1~2年を合格レベルに達するための学習期間にあてることが理想といえます。また、官庁訪問と就職後に求められるスキルとして、受験までの準備期間に他人とのコミュニケーションなどを磨いておくことも大切です。

ただ近年の倍率から見ると上位大学以外からの合格者も出やすい状況になってきているようです。

国家総合職の年収はどれぐらい?

まず、国家総合職の国家公務員の平均年収はどのくらいなのでしょうか。

人事院の令和4年度国家公務員給与等実態調査によると、国家総合職(行政職俸給表(一))の平均給与月額は413,064円、俸給は334,711円で、

平均年収は約681万円(6,815,556円)でした。


ただし、この数字は国家総合職と国家一般職が一緒に集計された数字です。

実際には、同じ年次の場合だと、国家総合職の方が一般職よりも俸給は高くなりやすいです。
そのため、国家総合職の平均年収はもう少し高いだろうと考えられます。

また、国税庁の令和3年分民間給与実態統計調査結果によると、民間企業に勤務した給与所得者の平均年収は443万円(男性545万円・女性302万円)でしたので、この数字と比較しても国家総合職の給与は高い水準にあるといえるでしょう。

人事院の令和4年度国家公務員給与等実態調査によると、大卒者の平均俸給額(地域手当込み)は、20代は約213,661円、30代は約303,534円、40代は約393,325円、50代は約440,501円という結果でした。

上記の平均俸給額(地域手当込み)に諸手当を加えた場合の国家総合職の
年代別の平均年収は

20代で約417万円程度、
30代で約592万円程度、
40代で約768万円程度、
50代で約860万円~約1000万円を超えてくる

といったイメージでしょう。

国家公務員の退職金を知る(2013年)

内閣人事局の国家公務員退職手当の支給状況によると,2013年(平成25年)に国家公務員に支給された退職手当の金額(全体)は次のようになっています.

退職理由別平均退職手当

退職手当を「定年」「勧奨」「応募認定退職」「自己都合」「その他」に分類したときの退職者数と退職手当額は次の通りです.

注意
「勧奨」は2013年10月末まで,「応募認定退職」は2013年11月以降の数値です.



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