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第二十二話 ダンスアイドル活動の顛末

 2020年3月、Cha cha Girlsは、北海道の担当者から函館市営電車の観光宣伝のため、動画出演の仕事を頂いて撮影が済み、公開を待つばかりであった。
サッポロファクトリーのウィクリーイベントの3回目の出演も決まっていた。

 そして、サッポロファクトリーのイベントの中止を告げられたのが、パンデミックの始まりの始まりだった。新型コロナウィルスの流行によって旅や観光どころではなくなり、楽しみにしていた函館の動画は公開されることはなかった。

 ライブも何もかもができなくなった。社交ダンスの大会も中止になった。パフォーマンスの発表の機会がすべて断たれた。
任務や生活がかかったそれぞれの担当者は大変な苦労をされたと思う。
そして応えられなかった私たちだ。

活動ができなくなることで二人とも気力がなくなったろう。
オンラインのライブなどいくらでも方法があったが、彼女たち自身のやる気がない限り
無駄なことだ。
私にも二人は魅力的な存在でなくなった。

まだ21歳なら、人生のやり直しがきく。その時期は早い方がいいと決断し
「やめよう」と言った。潮時だと思った。
二人が好きなことを好きなようにしたらよい。

出演のお話を下さった担当者、お引き合いをいただいた方々にはご迷惑をおかけした。
ファンになってくださった方々には、継続ができず申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
二人が心の底からファンの方々に感謝をしていたのか疑問だけれども。
だって二人にはアイドル活動自体が他人事だったろうから。

そして肝心のT先生は、「全部オレの借金だ」と言い切った私への返済や、おそらく自分の家庭の借金に追われ、Cha cha Girlsをどうしようか、という方針さえも示すことができず、何の助けにもならないのであった。










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