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詩集や詩作品の紹介、鑑賞。
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#新井高子

ファシズムの夏:その3 ウンベルト・エーコ 『永遠のファシズム』

ファシズムの夏:その3 ウンベルト・エーコ 『永遠のファシズム』

『ぼくの兄の場合』を読みながらの日本滞在中、新宿紀伊国屋書店に秋山清の著作を買いに行ったのは、イタリア文学者の和田忠彦さんと対談をする当日だった。対談は「現代詩手帖」の主催によるもので、僕が去年に同時刊行した二冊の詩集『単調にぼたぼたと、がさつで粗暴に』と『小説』をめぐる話だったが、『単ぼた』の方は政治的なプロテスト・ソングという性格の詩集なので、自然と日本の近・現代詩における叙事的な詩、社会性や

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岩波ウェブ連載「3.11を心に刻んで」に、新井高子編著『東北おんば訳 石川啄木のうた』について寄稿しました。

岩波ウェブ連載「3.11を心に刻んで」に、新井高子編著『東北おんば訳 石川啄木のうた』について寄稿しました。

https://www.iwanami.co.jp/news/n23504.html

岩波書店のウェブサイトでは、3.11にまつわるさまざまな人の文章を、震災以来現在に到るまで毎月連載し続けている。いつも冒頭に誰かの言葉を引用し、そのあとエッセイが続くという体裁だ。

昨年末に寄稿依頼を受けたとき、まっさきに頭に浮かんだのが、手元に届いたばかりのあらたかさんの『東北おんば訳 石川啄木のうた』だっ

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