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佐藤弓生の「近・現代詩おぼえがき」第9回:岡井隆詩集『限られた時のための四十四の機会詩 他』評
第一詩集『月の光』における「定域詩」に続き、第二詩集に当たる本書では、ソネット(原義とは厳密には異なるが、一篇十四行を条件とする)が主たるスタイルとして選ばれ、枠組みを設定したうえで枠組みにアレンジをほどこしてゆく手業を見せる。なお『岡井隆の現代詩入門』(思潮社)に、「立原道造の詩と初めて出会った時に、一四行詩の構造的な美しさ、読み終った時の完結のよろこびを知った」とある。
収載作「四十四の機会