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令和5年度東北地区特別支援学校知的障害教育校PTA連合会研修会に出席しました

7月14日は東京都手をつなぐ育成会大会があり、乗り継ぎが間に合うかわからなかったので当日まで出席できるかわからなかったのですが、旅に同行してサポートしてくださった東京都知的障害特別支援学校PTA連合会会長のおかげで、東北地区特別支援学校知的障害教育校PTA連合会研修会プログラムの途中から参加することができました。また、本年度東北地区の会長である、古川支援学校PTA会長の荒井様のお計らいで、研修会の最後にご挨拶もさせていただきました。


サッカーとコミュニティー

Jリーグに加盟するプロサッカークラブであるベガルタ仙台さんは、障害があってもなくてもみんなで楽しむスポーツイベント「インクルーシブスポーツキャラバン」を開催し、多様な人々が共に活動し、スポーツや体を動かすことの楽しさを体感しながら、障がい者理解につなげる場をつくってくださっています。

と書くと、ベガルタ仙台さん主導で開催されているように思えますが、ベガルタ仙台 地域連携部地域連携課の方いわく、絶妙なバランスで成り立っているとのこと。

株式会社ベガルタ仙台、尚絅学院大学、そして障がい者サポーターズGolazo!のバランスのよい連携で、この事業が行われていることが、現地でさまざまな方とお話して、そして実際に7月15日に開催された「インクルーシブスポーツキャラバン」を見学させていただいて、とてもよくわかりました。

思いだけでは実際に参加する子供たちが楽しめる場は作れない。場を作りたくても、周知する方法や資金、参加したいと思わせるなにかがないと、人が集まらない。人を集めても、思いが伝わらないとただのスポーツイベントになってしまう。

共生社会について、日本各地でさまざまな取り組みやイベントが行われていますが、キーワードを連呼したり、重要性を学んだり、という以上に、百聞は一見に如かず、からだで感じ、経験からじわじわと学んでいく、そんな機会を作ってくださっているのだなと感じました。1回きりの開催ではなく、さまざまな場で継続して開催できているのも、思いが一貫していて、行政ともきちんとつないでいるところに起因しているのでしょう。

インクルーシブスポーツキャラバン in 古川

7月15日はあいにくの雨で、隣の秋田県では甚大な被害が出ていました。秋田のみなさんに想いを馳せつつ、古川ではたくさんの子供たちとそのご家族、それを見守ってくださるサポーターのみなさんが、古川特別支援学校隣にあった小学校(今年3月閉校)の体育館に集まり、共に2時間を過ごしました。

サッカー教室を知的障害のある子向けに開催する、ということではなく、みんなでストレッチ、みんなでチアダンスの体験、本物のチアをみたあとは、学生さん主導のボール運びリレーなど、気持ちとからだを徐々に整えるプログラムでした。なかなか見通しがもちにくい、また場の空気を読む子も多いなかで、心理的安全性のある場をまず共有したあとに、少しサッカーを体験する、という感じで、無理のない、参加しないで眺めていても楽しめる、そんな場になっていました。

サッカーというスポーツを媒介にしたコミュニティづくり、とても勉強になりました。当日来てくださっていた、大崎市教育委員会教育長の熊野充利先生が「先生が元気でいることで子供達も元気になる。」「いろんな人と関わり合いを持つことで、みんなと学んでいく。」と話されていたことに象徴されていると感じました。

地域との連携を通じた学び ~笑顔でつなぐSDGs七夕飾りプロジェクト

研修会のもう1つのテーマが、尚絅学院大学さんと連携して行われている、七夕飾りプロジェクトについてでした。

<本プロジェクト趣旨>

宮城県内の特別支援学校に通う児童生徒といわゆる健常者が七夕飾りの制作を通じて互いに交流し合い、相互理解を図る。仙台市の伝統行事である仙台七夕に出展することを通じて、障がいや特別支援学校の取組みの理解啓発を図るとともに、地域の商店街を活性化することに貢献する。活動の企画、運営に際しては、尚絅学院大学の教員志望学生の参加を募り、若いアイデア、創造力を最大限活用する。また、障害の有無に関わらず多様な人に参加を募り、SDGsの観点からも有意義な取組みとしたい。

尚絅学院大学ホームページより

吹き流しのデザインを尚絅学院大学の学生さんが担当され、宮城県内すべての知的障害特別支援学校の児童生徒から笑顔のイラストや願い事や写真を集めて、仙台七夕の吹き流しが制作されました。

河北新報にプロジェクトについて記事が掲載されたそうです

インクルーシブスポーツキャラバン、そして七夕飾りプロジェクト、どちらも思いの軸を担っているのが、障がい者サポーターズGolazo!さんで、県内各地の特別支援学校のPTA会長たちで立ち上げたオヤジの会です。代表の相澤直さんは、仙台市民活動サポートセンター通信ぱれっと2022年6月号の表紙になっていますので、ぜひ記事をご一読ください(^^♪

伝えたいのは、一部の世界にいては見えない発見や、楽しさです。「親が楽しんでいないと子どもだって楽しめない。僕は自分が楽しみたいからやってるだけなんですけど」と笑う相澤さんの周囲には自然と人が集まります。
(中略)
企画に至ったのが、 ベガルタ仙台の試合観戦です。しかし、一部の母親からあがったのは「障がいでじっとしていられないうちの子は、どうせ楽しめない」 とためらう声でした。 相澤さんは言葉の背景に、 父親の育児参画や周囲のサポートを得られないまま、一人で障がい児を支え続けてきた母親の苦労をあらためて実感。親も子も笑顔にしたいと思うようになりました。当日、子どもたちはルールがわからなくても、ゴールが決まれば大喜び。みんなで一緒に楽しめた経験が現在の活動の糸口になりました。

ぱれっと2022年6月号より

PTA活動が卒後の市民活動につながるような人の輪を作っていくこと、他校のPTA会長同士が連携するから生み出せること、あれもこれもと細かく準備して「おもてなし」するのではなく、参加者が一緒にその場を作れるようなしかけを作っていくこと、さらに地域の企業や放デイのスタッフのみなさんも巻き込んでいくようなきっかけを継続して準備しておくことなど、たくさんのヒントをいただきました。

全国の知的障害特別支援学校のPTA会員のみなさまからの会費に支えられて、このような貴重な学びを得られましたこと、改めておひとりおひとりに感謝いたします。


全国特別支援学校知的障害教育校PTA連合会 2023年度活動内容、および知的障害に関する情報の発信用noteです。コメントにはお返事できません、随時削除する場合もございますのでご了承ください。