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フラットで生き生きとした学校環境♪富山県立となみ総合支援学校

 4月23日早朝。東京から新幹線に乗って2時間、富山駅に到着しました。レンタカーに乗ってまず驚いたのが、富山駅から路面電車(市電)が走っていたこと!大通りに面した歩道にはアーケードになっていて、商店街も多く、富山駅のまわりだけでも1日楽しめそうでした。路面電車を横切って右折するのに苦労しながら、目指すは南砺市。文字通り、砺波(となみ)市の南にあります。砺波は、北陸自動車道、東海北陸自動車道、能越自動車道が連結する交通の要衝で、名古屋からまっすぐ北上して通過する地域であり、富山駅と金沢駅のちょうど真ん中あたりにあります。

 10時のお約束に十分間に合ってほっとしたところで、玄関に教頭先生が出てきてくださいました。全知P連事務局とさまざまにやりとりをしてくださって、今回の訪問が実現しました。授業中で申し訳ないと思いつつ、まずは校長室に伺いました。校長先生とPTA会長さまが待っていてくださり、少し学校のこと、地震当日のことなどを伺ってから、目録をお渡ししました。

 となみ総合支援学校は震度5強を経験しましたが、安否確認はふだん使用しているアプリで行うことが迅速にできたそうです。ふだんからどのように学校と双方向でやりとりできるようにしておくか、これからはますます重要だと感じました。

となみ総合支援学校の隣には公立南砺中央病院があります。となみ総合支援学校は設立当初は知的障害のある子の学校でしたが、平成20年に肢体不自由学級も設置され、現在では併置校としてさまざまな児童生徒が通われていますから、すぐ近くに病院があるのは心強いと感じました。

学校はフラットです。平屋建てで、階段がありません。知的障害があってボディイメージがもちにくい子にもやさしいですし、もちろんバギーの子にも過ごしやすい学校です。でも、我が子もそうでしたが、支援学校での生活のなかで階段で鍛えられるという側面もあり、その部分はどこかで補完しなければいけないことはとなみ総合支援学校の先生方も苦笑しながらおっしゃっていました。

個人的に「フラットだな」と感じたのは、建物だけでなく、肢体不自由のある生徒も知的障害のある生徒も教室も並んでいて「一緒に生活している」という感じがとても伝わってきたから、ということもあります。「○○部門棟」と物理的にわかれていることで守られる安全性も大人の側にはあるかもしれませんが、長い人生を生きていくうえで、まずは同じ学校の児童生徒として過ごせるということは、もしかしたらまた違った意味でのインクルーシブの第一歩なのかもしれないと学びを得ました。

校内を見学させていただき、実習中のみなさんの生き生きした表情がとても印象的でした。落ち着いて企業からの委託作業をされている高等部の生徒さんたちや、食品加工実習室にははりきって笑顔の生徒さん、そして、まるで職人?というほど繊細でていねいな作業をされている陶工班のみなさんなど、みなさん自分から選び取って行動している姿がすばらしかったです。都道府県や県内の市町村の木工パズルをみずから電動のこぎりで切りだして、それにとてもていねいに色をつけている生徒さんは、隣り合う各市町村が同じ色にならないよう、かつ、自分が納得ができて、これまで売り上げがよかった色を十分に吟味して、端までよく見て作業されていました。実際に見学できたからこそ知れた、日々の学びの積み重ねでした。


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全国特別支援学校知的障害教育校PTA連合会 2023年度活動内容、および知的障害に関する情報の発信用noteです。