スプーンケアの輪 刺さない鍼と光の日々(5)

先日、知人の盲導犬ユーザーのYさんが「犬のためのスプーンケアを教えてほしい」と
わが家にいらっしゃいました。
スプーンケアは家にあるスプーンが一本あれば、誰でもできる簡単で安全なケア方法です。
なのでふだん目の見えないユーザーの歩行をサポートしている盲導犬たちの心身のリラックスや健康維持のためにこのケアが役立ってくれたら良いな、と私は思っています。
いらしたのはユーザーのYさんと盲導犬のMちゃん。
Mちゃんはラブラドール・レトリバーのシニアの女の子です。

私とシールは最寄り駅までYさんとMちゃんを迎えに行きました。シールはMちゃんに会えてうれしそうにしっぽをブンブン振っていました(笑)。
Mちゃんは真面目なタイプのYさんのパートナー犬らしく、しっかり真面目に仕事をこなしている感じ。さすがにコンビを組んで6年以上日々出勤のお供をしていルるだけあって安定感が感じられます。

わが家にについてシールとMちゃんのハーネスをはずすと、二人はうれしくなって小さな子どもみたいにズダダ!と家の中をひとしきり走り回ります。
Mちゃんはお仕事中は真面目なしっかり者のイメージでしたが、「仕事オフ」モードになると意外に元気で自由な感じです(笑)。
Yさんの
「カム!こっちに来てお行儀よくして」
と言う言葉を聞きながらも、初対面のシールと一緒にはしゃいでいました(笑)。
シールはこんな時、うれしくなり過ぎると自分でもコントロールがきかなくなってピョンピョンしてしまうので、
「ハイ、ストップ!とりあえず落ち着こうか」
と二人を一旦トーンダウンさせました。でも、うれしそうにシッポをブンブン振っている二人の様子はとてもかわいかったです。(笑)。

ようやく二人が落ち着いてきたな、と思ったころ、YさんがMちゃんを呼んでもMちゃんがやって来る気配がありません。
「あれ?Mちゃんはどこ?」
目が見えているおかあさんが見回して、
「あら、Mちゃんいないわよ」
と言いながら、
「もしかして、二階かも」と階段を上がってゆきました。
やがておかあさんが
「Mちゃん、二階を探検していたみたい(笑)」
とMちゃんと一緒に降りてきました。
Yさんに
「勝手に二階に上がってはダメでしょ」と叱られながら、「エヘヘ、面白かった♪」とうれしそうにしている冒険好きのMちゃんなのでした(笑)。

仲良しになったシールとMちゃんは、フリー状態にすると「遊ぼう!」と二人で盛り上がってしまうので、Mちゃんにはリードをつけておとなしくしてもらって、そのそばでシールにモデルになってもらってYさんにスプーンケアを教えました。
Yさんは初めてにしては飲み込みが早く、シールも気持ちよさそうにため息をつき、身体の周りがホンワリと温かくなってきました。これはシールの身体の気の流れが整ってきた証拠です。

Yさんがスプーンケアをシールを相手に練習している間、私は傍らでおとなしく寝そべっているMちゃんに
「Mちゃん、スプーンケアやってみる?」
と声をかけてスプーンケアをやってみました。
初めて経験するスプーンケアは結構気持ちよかったらしく、Mちゃんは何度もお腹を見せてひっくり返って
「これ、気持ちいいかも♪」とシッポを振っていました(笑)。

やがてYさんにスプーンケアを教え終わったので、Mちゃんのリードをはずしました。
「Mちゃん、スプーンケアは気持ちよかった?」
と聞くと、Mちゃんは、
「うん、気持ちよかった。ありがとう」
とばかりに、ゆっくり優しく私の顔をなめてくれました。(笑)。このなめ方は、犬たちがお礼をする時のやり方です。そういえば前の盲導犬達、スースーもシジミも、ケアをした時にはこうやって顔をなめてくれたのでした。(笑)。

私はMちゃんに、
「これが気に入ったら、Yさんにおうちでやってもらえるよ」
と伝えました。

翌日、Yさんからメールが届き、
「家に帰ってから、頭にスプーンケアをしてみたら、その場でダウンしたのでビックリしました」
ト伝えてくれました。

これから、YさんとMちゃんがお互いにスプーンケアをとおして、リラックスした心地よい時間を一緒に過ごしてくれたら良いな、と思います。

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