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悲しみは喜びの2倍以上に感じる?

介護の現場で働く私たちにとって、入居者様の様々な感情と向き合うことは、決して簡単なことではありません。特に、悲しみや喪失感といった負の感情は、入居者様だけでなく、私たち介護スタッフにとっても大きな負担となります。

しかし、悲しみは決して悪い感情ではありません。むしろ、悲しみをしっかりと受け止めることで、人は新たな一歩を踏み出すことができるのです。
今回は、「悲しみは喜びの2倍以上に感じる」という人間の心の不思議について、介護の現場で感じるエピソードを交えながら考えていきたいと思います。

悲しみの重み


私たちは、日々の介護の中で、入居者様が様々な悲しみを経験されていることを目の当たりにします。

  • 大切な家族や友人を亡くした悲しみ

  • 自分がもう以前のように動けなくなったことへの悲しみ

  • 孤独感や虚無感への悲しみ

こうした悲しみは、入居者様の心と体を深く傷つけ、生きる希望を失わせてしまうこともあります。

なぜ悲しみは重いのか?


人間は、喜びよりも悲しみの方がより強く記憶に残るという性質を持っています。これは、「損失回避バイアス」と呼ばれる心理的なメカニズムによるものです。

損失回避バイアスとは、人は利益よりも損失をより大きく感じる傾向があるというものです。これは、進化の過程で、損失を回避することで生き延びることが重要だったということが関係していると考えられています。

介護の現場における悲しみ


介護の現場においては、入居者様が様々な悲しみを経験する機会が多くあります。特に、認知症の入居者様の場合、家族や友人の顔の区別がつかなくなったり、自分がどこにいるのかわからなくなったりすることで、深い悲しみを感じることがあります。

また、身体機能が衰え、以前のように自由に生活できなくなったことも、入居者様にとって大きな悲しみとなります。

悲しみを分かち合い、寄り添う


私たち介護スタッフは、入居者様の悲しみを理解し、共感することが大切です。決して入居者様の悲しみを軽く扱うことなく、真摯に受け止めることで、入居者様は少しずつ心を癒していくことができます。

また、入居者様同士が互いの悲しみを分かち合い、支え合う場を設けることも重要です。同じような経験をした者同士だからこそ、共感し、励まし合うことができるのです。

悲しみから立ち直るために


悲しみから立ち直るためには、時間が必要です。しかし、決して諦めずに、前に進んでいくことが大切です。

入居者様の悲しみを理解し、寄り添い、支えることで、私たちは入居者様が悲しみを乗り越え、新たな希望を見出す手助けをすることができます。

おわりに


悲しみは決して悪い感情ではありません。むしろ、悲しみをしっかりと受け止めることで、人は新たな一歩を踏み出すことができるのです。

介護の現場で働く私たちにとって、入居者様の悲しみと向き合うことは、決して簡単なことではありません。

しかし、入居者様の悲しみを理解し、共感することで、私たちは入居者様にとってかけがえのない存在となることができるのです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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