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宗教や信仰についての雑記 #117

「言霊」について

前回、最後に言霊について触れました。
言霊とは、言葉を発することで実現すると信じられた、言葉に宿る霊力のことだそうです。
言葉を発しただけでそこに宿る不思議な霊力によって現実の世界が影響を受けるとは、現在ではほとんどの人が本気では信じてはいないでしょう。

でも心の奥底、潜在意識のレベルとでも言うのでしょうか、その辺にはまだ言霊信仰の残渣のようなものが残っているのかもしれません。何か悪いことが起こるようなことを言うと、「縁起でもないことを言うな」と言われることがまだ、たまにはあるようです。
そのような言霊信仰が危機管理を不十分にしているという批判もあるそうです。

今の時代、「言霊」や「祈り」という言葉について、それらの持つ意味の捉え直しをしたほうがいいようにも思えます。
「言霊」や「祈り」が超自然的な霊力を以て現実世界に影響を与えて、実際の物事を変えるというのではなく、それらの言葉の背景にあるもの、言葉の背負っているものの大きさや重さによって、人の心に働きかけて、人を通して現実世界を変えてゆくのだと捉えたらどうでしょう。

人の心は思いの外弱いものです。
発生した波が時の経過とともに減衰して弱まってしまうように、何かに共感したり感動したりして一度決心したことでも、時とともに弱まってしまうものだと思います。
そうして減弱してしまった心の力を再び増幅させるためのブースターとして、「言霊」や「祈り」を捉えたらいいのではないかと思います。

宗教や信仰といったものをも、時とともに捉え直す心の柔軟さが大切であるような気がします。

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