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宗教や信仰についての雑記 #102

◯心頭を滅却すれば?

先日、混雑した電車に乗っているときに、「心頭を滅却すれば火自ずから涼し」という言葉をふと思い出しました。
心頭を滅却すればこんな混雑した不快な状況も気にならなくなるかなと、そんなことを思いました。

でもよくよく考えてみれば、熱いものに触れたとき思わず手を引っ込めたりする行動というのは、脊髄反射によるもので、脳による判断は介在していません。
まあ普通に考えれば、「心頭を滅却すれば火自ずから涼し」と言って火に触れ続けていれば大やけどを負うのは目に見えてはいますが。

この言葉は「どんな困難も心の持ちようで乗り越えられる」といったような意味で用いられることが多いようです。
しかし、過剰な負担により心身を壊してしまう教師や医師の話をよく耳にします。
このような言葉にはそのような危険性もあるということを認識しておいたほうがいいようにも思います。

無論そうかと言って、座禅や瞑想やマインドフルネスなどになんの効果もないとは思いません。
それにより集中力を高めたり心の平安を得たりする人がいるのも事実のようです。

重要なのは、大げさな表現をせずに、何ができて何ができないのか、それを明確にすることなのだと思います。

人の能力や性格は千差万別で、その人をあるべき方向へ導いてくれるものもまた様々なのでしょう。
ですから、真理とは一言で言えるほど単純なものではないのだと思います。
真理を言葉で表そうとすれば膨大な数の言葉が必要になるのでしょうが、それでも完全には表現できません。
本当の真理とは、人間の言葉を超越したものなのでしょう。

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