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〈小説〉青い目と月の湖

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長編小説なのでこのマガジンにまとめていきます。 とはいえ『腐った祝祭』ほど長くはないです。 魔法使いと呼ばれる男が出てきます。 ただ今連載中です。 もう少しで終わりそうです。
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記事一覧

小説|青い目と月の湖 24

 村長の自宅の居間に通されたクロードは、出されたハーブティーを飲みながら彼を待っていた。…

mitsuki
10時間前
4

小説|青い目と月の湖 23

 ハンスが浮かない顔をして部屋に入ってきたので、クロードは食糧の籠を受け取りながら聞いた…

mitsuki
1日前
8

小説|青い目と月の湖 22

 コーヒーはこの村では高価な飲み物だった。  村にコーヒー農園はなく、行商人から手に入れ…

mitsuki
7日前
8

小説|青い目と月の湖 21

 二人が帰り、夕食の準備にとりかかろうとキッチンに入ったところで、玄関のドアがノックされ…

mitsuki
8日前
8

小説|青い目と月の湖 20

 私にも素朴な疑問があると言って、マリエルが伸ばした手を、ハンスは半ば驚いて見上げた。…

mitsuki
13日前
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小説|青い目と月の湖 19

 湖の真上の空は、珍しく透き通った青をしていた。  ちゃぽん、ちゃぽんと、時おり舟を打…

mitsuki
2週間前
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小説|青い目と月の湖 18

 ハンスの話しによれば、彼女が母親以外に出会った初めての人間がハンスだったのだ。  クロードは二番目だ。  他人との会話に慣れていない彼女には、長ゼリフ過ぎたようだ。  クロードはマリエルを慌てさせないよう、落ち着いた様子を心掛けてその返事を待った。 「その、文書として、残っている訳ではありません。当家の歴史書、歴代史のようなものはありません。言葉通りの言い伝えです。私は母から聞き、母は祖母から聞いたんです。自分たちが魔女の一族であること。湖に守られていることを」 「君は先

小説|青い目と月の湖 17

 ノックの音でドアを開けると、ハンスが溢れ出しそうな笑顔を上に向けていた。  その頭の後…

mitsuki
3週間前
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小説|青い目と月の湖 16

 マリエルは恐れながらも、クロードの傍に近付いた。  そして、ブルーグレーのドレスが汚れ…

mitsuki
3週間前
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小説|青い目と月の湖 15

 マリエルは湖の西岸に広がるスミレの野原を歩いていた。  小さな黄色いスミレの花が咲き始…

mitsuki
3週間前
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小説|青い目と月の湖 14

 息苦しさに、クロードは足を止めた。  クマザサやニリンソウなどの群生にたまに出くわし、…

mitsuki
3週間前
9

小説|青い目と月の湖 13

 ハンスのおどおどした様子と、遠慮がちな物言いが、以前の彼の言葉に繋がった。 「まさか、…

mitsuki
3週間前
9

小説|青い目と月の湖 12

 クロードは川岸の野原を歩いていた。  両岸に張っていた氷も、雪も、すっかり溶けていたが…

mitsuki
3週間前
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小説|青い目と月の湖 11

 ハンスはずっと少女を目で追っていた。  少女といっても、ハンスより年上なのは明らかだ。  去年村を出て行った、友人ジェイの姉ジルが十八才だったのを思い出し、ハンスは多分同じくらいだろうと思った。  ハンスは黙って彼女を見ていたが、彼女の方も黙ったままだった。  初めに驚いた様子を見せた以外に、これといった表情はなかった。  歓迎しているようにも、非難しているようにも見えない。  ただ、黙って、ハンスを眺めているだけだ。  ハンスは少しずつ居心地が悪くなってきた。  思えば