濃度について

「濃度」と聞くとなんとなく「食塩水?」みたいになりそうだが今回は数学の濃度について。

導入

これは有名な話だがあえて取り上げる。

あるホテルは300室あるとしよう。
今日は全室埋まっている。

そこで電話がかかってきた。
「今日一部屋空いてないか?」

もちろん「今日はあいにく満室です…」
と断ることになる。

さてここでこんな問題を考えてみる。
私のホテルは部屋の数が自然数(の濃度)個ある。
今日は満室だ。
そこに今日1部屋借りたい!と電話が来た。

ここで私はもちろんと答えた。
なぜなら部屋番号1の人は2に、2の人は3に…としていけば1部屋開けることができる。

(言うまでもなくこのようなホテルは存在しない。)

濃度について


さてなぜこんなおかしなことが起こったのか。

基本的に数学では「無限」が絡むとよく分からないことが起こる。
そのことを念頭に置いて読んでみてほしい。

以下では基本的な写像の定義などは知っているものとする。

確認

Xが有限集合$${\iff \exists n\in \mathbb{N} \cup \lbrace0\rbrace,\exist f:\lbrace1,2,…,n\rbrace\to X}$$
ただしfは全単射

つまり(あとでまとめるが)全単射の存在で濃度を定めるのがいわゆる「個数」に対応するものになりそうである。
全単射は簡単にいえば一対一の対応がある状態のこと。

ほかの例を見てみる。

自然数の個数と整数の個数(厳密には濃度だがニュアンス的に個数としている)はどちらの方が大きいのだろうか。

いやいやそんなの整数のほうが大きいでしょ。
自然数の集合は整数の集合の真部分集合だし。

確かに直感的にはそう。
でも実はこの二つには全単射が作れる。

定義
集合X,Yに対して
全単射X$${\to}$$Yが存在するとき
X~Yと書く。
このときXとYは対等である、もしくは濃度が等しいという。

定義
集合Xが$${\mathbb{N}}$$と対等なとき、Xを可算集合といい、そうでない無限集合を非可算集合という。

無限集合はそのままの意味で捉えたらOK

さっき自然数全体の集合と整数全体の集合の濃度が等しいことはやった。
では有理数、実数はどうなるのか。

またXのpower setを考えてみるとどうなるか。
などなど。

あとがき的な

だいぶ緩い感じになったので厳密でないところもありますがご了承ください。
それよりも無限集合ってやばい!と感覚的に分かって頂けたらと思い、感覚的に理解できるようしたつもりです。

ここの内容は面白いのでほかにも書いてみようと思う。


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