秩序を保つことを優先した席替え方法

 今回は席替えについての記事を書きたい。(あくまでも参考で)

 まず理解しておいてほしいことは、席替えは教師が責任を持って決めることができるものだということ。

なぜならば、教師は学級運営の責任者だからです。

だから、教師が秩序を保つために「教師の考えで席を決める」ということは本当はあっても大丈夫だと思っています。

しかし、現実は「民主主義」の名のもとに、教師が独断で決めるというパターンはあまりないかもしれません。

よくあるパターンとしては「くじ引き」「班長が班員を決めていく」というようなものではないでしょうか。

(※ちなみに「班長が班員を決めていく」というのは同級生の中で上下関係のような構造を生み出してしまうことや、生徒の中で私情がうまれたり、班決めのプロセスからトラブルを誘発おそれがあるので、私はあまり好きではないので、積極的に行ったことはありません。班長はあくまでも役割であって、生徒同士は対等なものである)

そのようなパターンが学年の他のクラスで行われている中、自分のクラスだけ教師が全て決めるという場合、生徒の気持ちとしては反発心のようなものが生まれやすいかもしれません。また教師も相当気持ちが強くなければ、そのような反発心を感じながら学級運営をしていくのは辛いかもしれません。

 そこで私が提案するのは「ハイブリッド型」の席替えです。

どういうことかというと、生徒にくじで引かせて、ベースの席を作った上で、教師が秩序が乱れる可能性があると思うところをチェンジしていくのです。

「先生が勝手に変えたら、それは生徒に良くない隠し事をしているのではないか」と思われると思います。

だからこそ、席替えのくじを引くときに、趣意説明としてきちんとそのことを事前に説明しておくのです。

・まず、席替えは先生が学級の責任者なので本来は先生が決めていいこと。
・しかし、みなさんもある程度、自由度が高い方がいいと思っていると思います。
・だから、席替えのベースの部分はみなさんがくじ引きで引いてもらって決めます。
・ただ、その後、先生が見てクラスのことを考えてチェンジすべきとことは先生の方でチェンジしておきます。
・どのようにチェンジしたかは発表しません。
・ただ、みなさんがどんな席になっても秩序を保って過ごせるようであれば、担任によるチェンジは少なくなります。
・ちなみに視力が良くなくて黒板の文字が見えづらい生徒は事前に挙手をしてもらい、前から何列目までならいいか伝えてください。その生徒は視力を配慮した席にします。

上記のようなことを伝えておきます。

こうすれば、生徒に良くない隠し事をしている訳ではありませんし、実際に説明の通りにします。

 1学期などはやはり秩序を定着させるためにおしゃべりをしそうな生徒を離したり、リーダー性のあるような生徒を各班に配置したり、心地よい生活が送れるような席にすることを考えるので、チェンジも多くなります。

ただ、生徒にはどれだけチェンジしたかは伝えたないと事前に説明してあるので、そのことを伝える必要はないでしょう。

 また、中学など担当教科以外のクラスの状況がよくわからない場合などは、委員長や副委員長に個別で、「さわがしくなりやすい生徒の組み合わせ」などの情報を聞いたりします。(※この場合、委員長や副委員長からの情報は他の生徒に伝わるとトラブルになるので細心の注意を払ってください。)

 以上のような方法で席替えを実施して、生徒からクレームをもらったことは過去に一度もありません。また、実際、クラスが成熟してくると、担任によるチェンジもだいぶ少なくなります。それだけ秩序や絆、各生徒のリーダー性などが向上しているからです。

 ただ、どこをどれだけチェンジしたのかは、生徒に聞かれても、事前に説明した通り、絶対に教えないでください。

「くじ引きで決まった席をベースにしてチェンジしています」という事実だけです。

 そして、この方法の場合、担任も日頃の行いによって生徒から「この担任の先生なら信頼できる」という信頼感を得ておく必要があることも大切です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?