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大手企業からスタートアップに転職した人が貢献できること



3本目のNoteとなります。
大手企業で今後のキャリアに悩んでいる方へ」
「阪神タイガース・岡田監督に学ぶ、スタートアップにおけるルール・組織づくり」
の2本を書きましたが、
「大手企業で今後のキャリアに悩んでいる方へ」の方が
需要があるということがわかりましたので、
今回も大手企業(私が在籍していた全国紙新聞社)とキャリアに関する記事を書いてみます。
まだご覧になっていない方は下記Noteをご覧ください。

1.私が大手企業で学んだこと

私が大企業で主に学んだことは以下の2点です。

なぜ大手企業になったのかという理由やノウハウ、ビジネスモデル

大手企業も当然創業時は零細企業だったはずで、創業後紆余曲折を重ねながらビジネスとして成功を続けてきたことで、規模を拡大してきました。
私の在籍していた新聞社は
新聞を日本全国のご家庭に毎日届ける「戸別配達網」を構築したこと
で大手企業となりました。
以下が新聞社が100年以上前から作り上げたビジネスモデルです。

日本中・世界中のニュースを記事にする取材網の構築

新聞を大量印刷するという印刷技術の開発

工場から新聞を販売店に届ける輸送網の構築

全国に販売店を設立し、毎日ミスなく各世帯に配達できる配達網の構築

販売店が購読者から毎月月ぎめ購読料を頂戴し、新聞代原価を毎月新聞社に支払うという流動性の高い現金商売の確立

普及率を高めることで新聞を「インフラ化」し、高額な広告収入を得られる媒体価値に向上

先人がこのようなビジネスモデルを構築したことにより、流動性や利益率が高い企業に成長し、大手企業になっていきました。
販売店が購読者から毎月月ぎめ購読料を頂戴し、新聞代原価を毎月新聞社にお支払いいただく」という流動性の高いビジネスモデル
はSaaSというビジネスモデルの原点であり、新聞社はこれを100年以上前から行ってきました。
月ぎめ購読はサブスクの語源ですね。
また、普及率を高めることで「情報のインフラ化」を図り、媒体価値が向上し、高額な広告収入(フロー)を得ることが出来ました。
このように、新聞原価という「ストック」と広告収入という「フロー」という今では当たり前となっている安定的な売上を確保し、利益率の高いビジネスモデルをはるか昔から構築してきたという歴史があります。
歴史ある大手企業だからこそ、どのようにして他社・他業種に無いビジネスモデルを構築し、利益を上げて企業を大きくしてきたかということがわかりました。

新卒社員を一人前のビジネスパーソンに育て上げる、構造化された研修・オンボーディングプロセス

大手企業は大量に新卒社員を採用し、一斉に研修やオンボーディングを行って新人教育を行います。
大手企業にいると、その研修やオンボーディングは当たり前のものと思ってしまいますが、実は当たり前ではなく、長年その企業が積み重ねてきたノウハウや知見を基に、研修やオンボーディングが行われています。
私の経験をお伝えします。
私は約12年全国紙新聞社で勤務し、在籍期間のほとんどが販売局という営業部門でした。
入社後販売局に配属されると、2~3か月の内勤研修を行った後に外勤社員としてデビューします。
デビューしたばかりの外勤社員は「担当助務」として、入社10年目以上である主任のサポート業務を行いながら業務内容を現場で覚えていきます。
今時に言うとマンツーマンのOJTですが、実態は舎弟関係で、例えると芸人や落語家の「師匠と弟子」のよう関係になります。私のいた新聞社では「親分・子分制度」と呼ばれていました。
(入社後親分の下につくと、親分が子分の「ビジネスバッグを買ってくれる」という習わしがあります。)
販売局では長年この「親分・子分制度」を通じて社員教育が行われてきましたが、今でも非常に理にかなったオンボーディングの仕組みだと思っています。

「親分・子分制度」の元、私は3人の親分の下で計2年間「担当助務」を務めました。
最初の親分は元銀行員で中途入社された主任。仕事の内容よりも社会人としてのイロハを学び、学生時代の甘い考え方を叩き直してもらいました。
2人目の親分は体の大きな次長兼主任。取引先の経営者との付き合い方や、周りの人を巻き込んで仕事を進めるやり方、キーマンの見つけ方(人間観察)について学びました。
3人目の親分は元アメフト部の真面目で酒豪な主任。仕事の細かい点やKPI管理の方法など業務に直結する内容について学びました。

皆さん三者三様で、それぞれの仕事のやり方やコミュニケーションの取り方について学ぶことが出来ました。
3人の親分からいろんなことを学んだことで
「仕事における自分の物差し」
を作ることが出来ました。
私は今でもこの物差しを使って仕事の意思決定を行っています。
色んな方々の仕事のやり方を間近で見て、感じて学ぶことは、非効率に見えて実はとても効率的なオンボーディング方法だと思います。
不思議なもので、直接教わってもいないのに(最初の親分には毎晩のように説教されましたが…)、親分の仕事を取り組んでいる姿を横で見て「なんとなくそうなんだろう」と感じ、自分で考えて行動する習慣が根付いていました。
この「なんとなくそうなんだろう」と感じ、行動に移す力はとても重要な力と考えています。
聞いて学ぶことも大事ですが、一緒にいて「感じて」学ぶことも非常に大事です。
現在の環境に当てはめると、コロナによって在宅勤務が増えてきたことで、この「感じて」学ぶ機会が失われているように感じます。
在宅勤務でも「感じて」学ぶ機会を創出できれば、ビジネスチャンスになるのではないでしょうか。

2.大手企業出身者がスタートアップで貢献できるポイント

大手企業での経験を抽象化し、具体的なアウトプットとして転用する

大手企業出身者がスタートアップで貢献できることは、上記の通り
「大手企業が成長してきたノウハウ・ビジネスモデル」
「大手企業の社員教育・オンボーディングプロセス」
についての知見を基に、
在籍していた大手企業の成功してきたビジネスモデルを抽象化し、スタートアップのビジネスモデルに転用できる
大手企業が行ってきた社員教育のやり方を抽象化し、スタートアップの教育・オンボーディングプロセスに転用できる
ことだと思っています。

社員教育・オンボーディングプロセスの知見は貴重

特に教育・オンボーディングプロセスについては、教科書的なものがあるわけではなく、ネットや書籍で広く情報発信されているものではないですので、大手企業出身者の経験の価値が高いのではないかと考えています。
経験を持っているだけでは意味がないので、その経験を抽象化し、具体化して転用させなければいけません。
具体化して転用するためには、「抽象⇔具体」のスキルが求められます。
このスキルに関しては様々なビジネス書で解説されていますので、ご覧になってみてください。

「感じて」学ぶオンボーディングプロセス

社員教育・オンボーディングプロセスについての私自身の考え方を少し。
オンボーディングマニュアルやプログラムを作成することは重要ですが、上記の通り「感じて」学ぶオンボーディングも必要です。
即戦力で中途入社された方だとしても、入社後数か月は先輩社員について、業務を学ぶオンボーディングプロセスを構築することが求められるのではないでしょうか。
同じような業種から転職してきた即戦力だからと言って、社員教育やオンボーディングプロセスを省略化して良いというわけではありません。
即戦力として入社された方は、「即戦力として早く活躍しないといけない」という大きなプレッシャーを感じています。
即戦力で活躍してほしい方こそ、「感じて」学ぶオンボーディングプロセスを経て戦力になっていただくべきだと思います。

3.大手企業出身者にDIGGLEで活かしてほしいこと

大手企業での経験という「物差し」をDIGGLEに加えてほしい

DIGGLEはこの1年間で社員数が約1.5倍に増え、組織がどんどん拡大しています。
組織拡大とともに、組織の在り方やメンバーの役割も変化させていく必要があり、変化させるには「物差し」が必要です。
大手企業出身者の物差しがたくさんあることでDIGGLEのプロダクトビジョンを実現させるための組織や仕組みを作るためには「どの物差し」で測ればよいか、より鮮明になってきます。
ですので、DIGGLEではいろんな「物差し」を求めています。
皆さんのこれまでの経験で作り上げた物差しで、DIGGLEの組織や仕組みを一緒に作っていきませんか?
大手企業ではすでに組織や仕組みが出来上がっているため、一から作るという経験があまりできませんし、今私はその経験が出来ているので、とても刺激的で楽しく仕事が出来ています。
一度話を聞いてみたいという方は是非カジュアルに面談してお話しさせていただければと思います。


今後もいろんな内容の記事を投稿していきます!


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