冠鳥天狗

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冠鳥天狗

下記手順で全ての日本人が幸福になる方法を追究します ①悩める現代日本人の属性ごとの情報を収集 ②属性ごとにキャラクターを作り、その日常を描く小説を書くことで悩みへの理解を深化 ③全ての属性の人が共に幸福になれる方法を模索 当分は①②を同時並行で行います。(毎週水、日、金曜日更新)

マガジン

  • シュールな散文詩・超ショートショート集

    不条理な世界・人間の切なさ・殺伐とした雰囲気 これらを行間に込めた散文詩と超ショートショートのまとめです。

  • いずれ骨になる私たちの憂鬱

    現代人が共感し得る架空の登場人物の日常的な苦悩と皮肉的で虚無的な末路を描き、読者を明るい諦観に促す試みです。 ・登場人物それぞれのプロフィール ・登場人物の日常を描いた超ショートショート集(水曜日と日曜日に投稿) ・登場人物が登場するショートショート(不定期に投稿)

  • 随筆など

    日本社会の問題点に関する私見などを書いた随筆のまとめです。

最近の記事

  • 固定された記事

私たちの苦しさは、「居場所の喪失」によって生じているのではないか

この記事では、 ・将来に対する不安を抱いている人 ・常に孤独感に苛まれている人 ・期待外れの自分に幻滅している人 などの「生きるが苦しい」という人に向けて、私たち現代日本人が抱える苦痛の原因と解決策を解説します。 ※2023年9月11日更新 私たちが苦しいのは、居場所を失ったから 私たち現代日本人が抱える苦痛は、居場所の喪失によって生じています。 なぜそういえるのか。 それは私たちが日常で感じているあらゆる苦痛の原因を辿ると、居場所の喪失に繋がるからです。 私たち

    • 【超ショートショート】「介護疲れによる爆発」など

      「介護疲れによる爆発」 自分の重さで、杖が今にも折れそうになっている。 老人はその事実に関心を示さず、霊園の中を歩き続けていた。 不意に独りでにグラグラと揺れる杖。 老人は倒れそうになりながら杖の揺れが収まるのを待った。 少しして、杖は繫華街に向かって動き始めた。 老人は付き従うしかない。 「まさにトーナメント」 「The Tournament」と呼んでも差し支えないだろう。 何しろ試合会場がトーナメント表と同じ作りになっている。 まず各チームは眼前に伸び

      • 誰も信用しない利己主義者の日常④【超ショートショートまとめ】

        「庶民を出し抜いて金持ちになってやる」 この比嘉冷射士の志は早くも頓挫した。 原因は世界屈指の金持ち達が軒並み、人間の生活に必要不可欠な商品を扱う会社の経営者、またそれに協力した投資家である事実だった。 (善行をしないと金持ちになれないのか?) 比嘉冷射士は眩暈を覚えた。 〈比嘉冷射士のプロフィール〉 参考: 比嘉冷射士は人に傷付けられてから人を傷付けるようになった。 その最大の動機は、自分が受けた理不尽を他者にも味わわせたときの、不平等が解消される快感だった

        • HSP(繊細さん)の日常④【超ショートショートまとめ】

          薄井一彦は猫背を注意された途端に胸を張った。 上司は「堂々とした男は職場に活力を与える」と講釈を述べ、薄井一彦は怒りは収まったのだと安堵してそれを傾聴した。 後日、薄井一彦は客や同僚の自分に対する緊張を察知し、猫背が威圧感を与えないための無意識の工夫であったことを知った。 〈薄井一彦のプロフィール〉 〈HSPの長所〉 共感力が高く優しい 気配り上手 感受性や想像力が豊か 仕事が丁寧 計画を立てられる 〈HSPの短所〉 落ち込みやすい

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        • シュールな散文詩・超ショートショート集
          41本
        • いずれ骨になる私たちの憂鬱
          47本
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          10本

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          【超ショートショート】「四次元の子宮」など

          「四次元の子宮」 もしドラえもんが猫型ロボットではなく 「カンガルー型」ロボットだったら、 母性本能の赴くまま のび太を四次元ポケットに詰め込むだろう。 のび太は四次元空間を彷徨い 宙を漂う「どこでもドア」から脱出を試みるが、 ドアを開けた先には入浴中のしずかちゃんを 仕留め終わったドラえもんがいる。 ドラえもんはお仕置きと称して のび太に「バイバイン」を使い、 無限に増え続けるのび太を 1人残らず四次元の子宮に閉じ込めるのだ。 そして球状の手で腹を撫でる。 内側で

          【超ショートショート】「四次元の子宮」など

          滅びゆく日本を憂う愛国者の日常④【超ショートショートまとめ】

          「日本はオワコン」と言った友人を乗せ、飛行機は空港を発った。 温田馨は、今友人の目に映っているであろう景色を想像した。 「住みにくい」という理由だけで見放した、先人が命を懸けて守った土地が小さくなっていく。 一方現実の友人は、目的地に住んでいる人のInstagramを眺めていた。 〈温田馨のプロフィール〉 学生時代は政治の話を嫌がっていた旧友たちが、口々に増税の愚痴を吐いている。 温田馨は驚きつつ、皆が生活苦によって政治に関心を持つようになったのだと思った。 し

          滅びゆく日本を憂う愛国者の日常④【超ショートショートまとめ】

          ブラック企業に勤める社畜の日常④(超ショートショートまとめ)

          上司の説教が30分を過ぎた頃、三浦俊の視点は上司の目から手元に下がっていた。 それは克己心が失われる兆候だった。 克己心を失った労働者は、たちまち奴隷に成り下がる。と三浦俊には思われた。 三浦俊は(ちゃんと落ち込め)と自身に言い聞かせ、涙を絞り出した目を上司に向け直した。 〈三浦俊のプロフィール〉 毎月の残業時間が過労死ラインを優に超えている。 この事実だけが三浦俊の誇りになっていた。 無能という自己認識を和らげるのは、長時間労働に耐えている自負だけであった。

          ブラック企業に勤める社畜の日常④(超ショートショートまとめ)

          【超ショートショート】「陽キャと陰キャ」など

          「陽キャと陰キャ」各々のパートナーと抱き合い羽ばたくことで飛ぶ、生まれ付き片翼の種類の蝶達がいる。 今は春。 パートナーを組んだ蝶達が空を埋め尽くし笑い声を上げながら飛んでいる。 まるで色とりどりの花弁の浮く川が上空を流れているようだ。 羽が萎れたり破れたりしている蝶達は地面を見つめながら歩く。 「トー横キッズと社会」雛が知らない間に危険区域に入り、たどたどしく飛んでいた。 すると上空を旋回していた成鳥が滑空して、雛の横に並んだ。 「君、1人?」 「はい」

          【超ショートショート】「陽キャと陰キャ」など

          経済力がないせいでモラハラ夫と離婚できない主婦の日常④【超ショートショートまとめ】

          「女性は生理・妊娠・出産が足枷となり男性に比べて労働成果が少ないのだから、夫婦は会社員の夫と専業主婦の妻の組み合わせが最も効率的だ」 夫の言説を聞いたとき、玉中和子は長年の家事で荒れた手を眺めながら、夫への経済的な依存が及ぼす専業主婦の肩身の狭い不自由な生活を顧みた。 〈玉中和子のプロフィール〉 「馬鹿かっ」 吐き捨てるような夫の一言に、玉中和子はビクッと体を震わせた。 振り返ると、夫はテレビを見ていた。 テレビでは共働き世帯の増加が報道されている。 「女の役

          経済力がないせいでモラハラ夫と離婚できない主婦の日常④【超ショートショートまとめ】

          全てに挫折し孤独死を待つだけの老人の日常③【超ショートショートまとめ】

          宇宙人が目の前に現れたとき、俺の口を突いて出たのは 「若返らせてくれ」 の一言だった。 異常事態に陥ると本性が露わになる人間の性だろう。 少しして宇宙人は「いいだろう」と脳内に語りかけてきた。 俺は飛び上がるほど嬉しかったが、次の言葉で願いを取り下げた。 「では猿に戻すぞ」 〈宮山郁夫のプロフィール〉 公民館で中年女性に話しかけられた。 久しぶりに女性とのお喋りを楽しんでいると、不意に女性が言った。 「ご結婚はされているんですか?」 「い、

          全てに挫折し孤独死を待つだけの老人の日常③【超ショートショートまとめ】

          【超ショートショート】「ファッション障害者」など

          「ファッション障害者」洞窟に入ると、旅団は腰を屈めて進んだ。 重荷を背負う者にとって、その体勢は苛烈なものだった。 大半の者は見て見ぬふりをしたが、数人が重荷を背負う者を支えた。 すると空箱を背負って人を騙し、注目を集めたり楽をしたりする者が現れた。 皆は本当に重荷を背負う者に手が回せなくなってしまった。 「差別と区別」 「奴隷」および「障害者」と呼ばれる者がいた。 時が流れ、社会的弱者を救う気運が高まると、その者は一般人と同じように扱われるようになった

          【超ショートショート】「ファッション障害者」など

          虐待によって生まれた無敵の人の日常③【超ショートショートまとめ】

          「この家の誰か1人を実験体として差し出せ」 急にリビングに現れた宇宙人に脅されると、母さんの彼氏は震える指を僕に向けた。 母さんは目を伏せていた。 その後、僕はUFOの中で繰り返し体を切り取られた。 母さんの彼氏からも痛みを与えられていたので、僕の生活は以前と変わらなかった。 〈星毬男のプロフィール〉 真夜中。 僕はいつも通り聴覚を研ぎ澄ませて、隣の部屋で母さんの彼氏が何をしているのかを探る。 ……何かが擦れ合う音。 この場合、2つのパターンが考えられる。

          虐待によって生まれた無敵の人の日常③【超ショートショートまとめ】

          【B.B.King意訳】「Better Not Look Down」(うつむいてばかりいるなよ)

          I’ve been around, and I've seen some things (俺は色んなところで色んなものを見た) People moving faster than the speed of sound faster than a speeding bullet. (みんな、音や飛んでる銃弾よりも急いでる) People living like Superman, all day and all night. (みんな、朝から晩までスーパーマンみたいだ)

          【B.B.King意訳】「Better Not Look Down」(うつむいてばかりいるなよ)

          承認欲求モンスターの日常③【超ショートショートまとめ】

          遠くの空に、円盤状の光る物体が浮かんでいた。 (UFOだ!) 即座にスマホを構える。 画角にUFOが入り、あとは撮影するだけ。 しかし、私は思い止まって内カメにした。 顔と一緒に撮ってSNSに上げれば、有名人になれるかもしれない。 結果、映っていたのは私の冴えないキメ顔だけだった。 〈堀田絵里のプロフィール〉 会話をしているとき、自分が話題の中心にならないと気が済まない。 例えば皆が「男の部屋にあったら幻滅する小物」について話していると、「部屋といえば、この前

          承認欲求モンスターの日常③【超ショートショートまとめ】

          【超ショートショート】「性別役割分業」など

          「性別役割分業」雄のヤドカリが貝を背負っている。 貝の中には雌のヤドカリが住んでおり、雄のヤドカリが調達して来る食料を調理している。 雌のヤドカリは食料を探す苦労を免れているが、1匹で生きるための脚力を鍛える機会には恵まれない。 時折、雌のヤドカリは貝を背負って自由に歩き回る妄想をする。 「企業」ロボットが使命を果たすために走っている。 内側の歯車達は手足を動かすために回転し、摩耗していく。 歯車の内の1つは、歯が鈍磨して他の歯車と噛み合っておらず、使命

          【超ショートショート】「性別役割分業」など

          家庭に居場所がないトー横キッズの日常③【超ショートショートまとめ】

          「地球人は地球環境でしか生存できない」 母星に帰ろうとする彼の宇宙船に強引に乗り込もうとしたとき、私はその事実を知らされた。 「君から希望を奪ってしまったな。すまない」 彼が星空を仰ぎながら言う。 私も見上げると、さっきまで理想郷だった星々が、壁のシミに様変わりしていた。 〈奥原しおんのプロフィール〉 ガチャピンのパジャマを着たユリカが股間にペットポトルを当てて、膝立ちのミクがそれを咥えている。 「絶対あんたたちが今世界で一番下品だよ」 お腹を抱え

          家庭に居場所がないトー横キッズの日常③【超ショートショートまとめ】