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すべて純国産

 百貨店の1階に、女性化粧品や美容商品が豊富に陳列されている。
エレベーターに乗ろうとすると、その横に1台の自動販売機が目に入る。
シックな色あいで高級感溢れるラッピングなので、最初は下着か何かの自販機かと思った。
が、よく見れば、

『美容と健康の昆虫食』
とある。
「?」
自販機の中をよく見ると、決してゲテモノ感はないのだが、
『タガメ2匹1,500円、バッタ、こおろぎ、ミミズ昆虫ミックス1,300円、
さそりチョコ1,400円、大トロこおろぎローストスナック1,200円』
さらに、
『すべて、純国産』
とまで付け加えてある。
「な、なんちゅう自販機や!」
と目を見開き思わず叫んだ。

昔、イナゴを食べた記憶はあるが、それは食料難だった時代で、今はいくらでも食う物はあるだろう。
美容と健康とはいえ、あくなき人間の欲望に少々肌寒いものを感じる。
紅こうじどころではない。

そういえば、そういった類の専門飲食店もあるらしいが、自販機まであるとは、、、

いやはや、、

すぐに写メって、都会の百貨店では、こんなモノを売っていると田舎暮らしの友人に送った。
すると
「うちの前には、新鮮なモノがたくさんいるよ。地産地消だがね。やはり採りたてが一番旨いから、今度、生をクール宅急便で送ってあげるよ。そうそう、今はこんなんいるけど、いる?」
と、とぐろを巻いたマムシの写真を送ってきた。

そ、そんなものを生で送ってもらっても困るけど、
確かに、友人も奥さんも年齢より、はるかに若々しく、肌艶きれいだったわ。

この自販機、意外とガセじゃないのかも。

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