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11,彼岸のイニティウム

何かに、迷った。
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シリーズもの11曲目です。
エンディング風のつもりです。
『研究者とメランコリー』のアレンジになります。
テンポ遅めに感情の抑揚も少なく淡々とした始まりから、急に『研究者とメランコリー』のメロディが入ってくる所がお気に入りです。
元々はシリーズ全曲のお気に入りメロディ全て詰め込んだエンディング風の曲を考えていたのですが、収拾がつかなくなったのでやめました。
以下この曲の物語。
「拾ったボロボロの本は辛うじて数ページだけ読むことが出来た。長い間波に打たれ、この海岸に打ち上げられた後も日光に焼かれたであろうその本は乾燥してページを捲る度にばらばらと崩れる。脱落し散らばったページも可能な限り集めて鞄にしまった。
この駅で降りたのは気まぐれだったのだけれど、こんな再会を果たすとは思いもしなかった。掠れて読めないページは可能な限り復元を試みてみよう。海を漂った割に妙に状態が良いのは製本に使われた素材のお陰か、はたまた書き手の思いが強く乗っていた所為か。
かつて父と呼び慕ってくれた彼を思いながら、僕は海岸を後にした。」

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