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大切なともだち

娘には、今でも「文通」している大切なお友達がいる。

小学校3年生の時、転校して行った〇〇ちゃん。

中国の子で、向かいのマンションに住んでいた女の子。

3年生のとき、初めて同じクラスになり、
娘の話に「〇〇ちゃん」の名前が出てくるようになった。

娘は、自分からガンガンいくタイプじゃない。
一年生の頃から決まったお友達としか遊ばなかったので、新しい名前を聞けてとても嬉しかったのを覚えている。

席替えで隣になったのかな?
班が同じになったのかな?
どんなして仲良くなったのか興味津々だったが、ぐっとこらえて娘が話してくれるまで待った。

そして、ぽつりぽつりと〇〇ちゃんのことを話してくれるようになった。


私が知っている〇〇ちゃんは…

・一人っ子

・お父さん、お母さんは日本語があまり話せ
 ないので、学校関係の連絡は、〇〇ちゃんが
 通訳している

・お母さんが美人(一度お会いした)


〇〇ちゃんも内気な子で、お友達は多くないみたいだ。

娘と同じで本が好きな大人しい子。

もしかしたら娘のことを「波長が合う」と思って仲良くしてくれたのかもしれない。

一度、〇〇ちゃんから「家に遊びに来てね」と誘われたことがあるが、〇〇ちゃんがお友達を招待したのは初めてだったそうで、〇〇ちゃんのお父さん、お母さんもうちの娘に優しくしてくれたそうだ。

「中国ではね、水餃子が普通なんだって!餃子が余ったら、焼餃子にするらしいよ、だから、焼餃子は残り物料理なんだって」
「〇〇ちゃんのお母さんは料理が上手で、肉まんも餃子も、手作りしか食べないんだって!」

と、娘はニコニコ顔で私に話してくれた。
私はそれを聞くのが嬉しかった。
仲良くしてるんだな、とホッとした。

ところで、娘は積極的ではないが「自分の意思」というものを強く持っている。

それは「周りに流されない」素晴らしいことなんだけど、子どもの社会では、誤解されるんじゃないかと、私はいつも気にしていた。

自分が「嫌だ」と思ったら、ハッキリキッパリ「嫌だ!」と言う。

私は子どもの頃から、周りにとけ込んで目立たなく生きていたから、娘の言動が格好良く見えると同時に、私には無理だなと引いてしまっていた。

「女の子は群れたがる」は、あるあるで、もれなく〇〇ちゃんも娘といつも一緒にいるようになった。

そして、トイレに行くのも、音楽室に行くのも、休み時間遊ぶのも、常に娘に付いてくるようになった。

それからは、だんだんと家で話す〇〇ちゃんの話題が愚痴っぽくなってきて、「ありゃりゃ… まぁ女子あるあるだなぁ…」と思って聞いていた。

私は「うーん…〇〇ちゃんは★★(娘)のことが好きなんだよ、でも…いつも一緒にいるのが嫌っていう気持ちも大事にしたいよね、3回に一回断ってみるとかは??」と言ってみたりした。
(こういう時何て言えばよかったんだろうか…)

娘は「断ったら傷つけちゃうんじゃないか…」
と、気にしていた。だから、浮かない表情。

それからしばらくたって、
娘から「〇〇ちゃんにね、いつも一緒にいるのは、私は嫌だよ。でも〇〇ちゃんのことは友達と思ってるから仲良くしたい。って言った!」というのを聞いた。

もう、おったまげた!!!

ひぇ~!!
よっく言えるな!!

「そそそれで、〇〇ちゃんは!?大丈夫だったの!?ケンカになった!?」
と焦って聞いた。

娘は首を横に振り、「ううん、ごめんねって言われた、仲良くしたいって、もうしないって」
のようなことを言っていた気がする。

「そっか~!! それはよかったね〜」とめちゃくちゃ安心した。
トラブルにならなかったんだ!と逆にビックリした。

本音を言えた娘もすごいが、〇〇ちゃんも
なんと頭の良い子(語彙力)なんだ!!
だって、「★★(娘)から意地悪な事言われた!」ってなりません!?


それから本当に〇〇ちゃんは、娘にくっついて来なくなり、本音で話したことで、お互い前よりもっと仲良くなったように思えた。

素敵なお友達を持って、娘は幸せ者だと思う。 
羨ましい。。。

それからしばらくして、夏休みの前日、
終業式が〇〇ちゃんと会った最後の日になった。

なんと、引っ越しの日を間違えて聞いてしまい、プレゼントを渡しに行ったら、誰もいなかったのだ!

小学3年生の口約束なんてそんなもん…

もっと私から働きかけて、一緒に写真撮ったり
いっぱい遊んで思い出を作ってあげればよかったなと今でも悔やんでいる。

「文通」が今でも続いているのが救いだ。

小学校3年生の夏休みからずっと、2ヶ月に一回のペースで手紙が届く。

郵便ポストを開けるのは私が多いので、
手紙を見つけると、娘宛てなのに嬉しくなる。

正直、こんなに続くとは思っていなかった。

お互い新しい環境になるし、新しい友達もできるだろうから、手紙が来なくなってもしょうがないねって思うんだよ。と娘に言っていた。

しかし、娘の誕生月には、プレゼント(手作りのヘアピンやミサンガ)が封筒に入っていて、娘のことを大事に思っているのが伝わってくる。

今年はお互い、中学生になる。

小学3年生のときの〇〇ちゃんしか知らないから、彼女も大人っぽくなってるなかな、と想像する。

スマホを持ったら、「文通」はやめてしまうんだろうか。。。

ものすごく自分勝手だが、
「文通」続いてほしいなと思う。

来月は〇〇ちゃんの誕生日。
昨日は娘とプレゼントを買いに、雑貨屋さんへ行った。

娘は、〇〇ちゃんのことを想いながらプレゼントを選んでいた。お手紙と一緒に送るために。

喜んでくれるといいね。












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