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焦燥

一抹の不安が
脳裏をよぎる

漠然とした不安に
薬は 効かない

朝の光の眩しさ
夜の闇の静けさ

いつ何時も
不安は わたしの影法師

踏み殺そうとするけれど
しつこく しつこく 付きまとう

漆黒の泥沼は
わたしの足首をつかみ
沼底まで 引きずりこんだ

わたしは 鼻で息をしながら
水草に 手足を 絡ませた

すると
水の妖精が顕れ
わたしの肩に そっと
手を差しのべた

しかし
妖精は 幻で
本当は わたしを生へと
縛りつける魔性だった

たいいりょう

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