自分を「粗末」に扱っちゃいかんね。
ひさしぶりに、ポテトチップスを大量に食べたら、吐いた。
正確にいうと、吐きかけた。
普段滅多なことで嘔吐に至らない私だが、今回は「うっ」となりそうになって、あわててトイレにかけこんだ。
そもそもなんで、ポテトチップスなんて食べたのか。
それは、いわゆる「羽目を外した」からだ。
5ヶ月ぶりに、リフレッシュ目的で託児をとった。
次男がもっと小さい頃は、町の託児所に数時間預けて、美容院に行ったり、家で休んだりさせてもらっていた。
でも、1歳になる頃から激しい「人見知り」が始まって、私以外が抱くとギャンギャンと泣き喚くので、預けるのが申し訳なくてできなくなっていた。
それを、久々に再開。
案の定ギャン泣きで別れたものの、わたしも久しぶりに「一人の時間」がとれて、ウキウキしていた。
何をしようかな。
カフェでもいこうか。
しかし、朝一で預けたため、近所のカフェはどこも空いていない。
しかたなく、コンビニで好きなものを買い漁って、家でのんびり食べることに決めた。
このあたりから、すでに不穏だ。
セブンイレブンに寄って、スイーツコーナーで濃厚チョコケーキを買い、レジに向かおうとしたとき、目に入ってしまったのだ。
セブンプレミアム厚切りポテト「石垣の塩味」が。
内容量150g。561カロリー。
税込257円のクソデカポテチ。
学生の頃、この大袋を夜中に食べつつ、動画を見漁るのが最高だった。
厚みのある、ザクザクした食感。
けっこう塩辛く、口も胃も打撃を受けるが、そこがまたいい。
ちなみに「石垣の塩」ってなんなんだろうと思って調べたところ、沖縄県よりさらに進んだ最南端の八重山諸島の島々の恵みが詰まったお塩だそうだ。
原料は海水のみでなにも混ぜないと書いてある。
ほお、あのしょっぱさは、海の味なのか。
気づけば左手に濃厚チョコケーキ、そして右手にクソデカポテチを抱えて、レジに並んでいた。
ひさびさに、食べよう。
だって今日は、「一人の時間」なんだから。
こうして調子に乗ったわたしは、帰宅するや否や、チョコケーキを平らげ、クソデカポテチの封を切って、本を片手につまみ始めた。
ザクザクとかみごたえのあるポテチに、手が止まらない。
気づけば半分以上食べてしまっていて、流石に胃が痛くなってきていた。
まずい、もうやめよう。
そう思って、あわててクリップで袋を止めたが、中身はほとんど割れたカケラばかりで、袋はぺったんこにつぶれてしまった。
その後は、やり残した家事をしたり、のんびりテレビを観たり、溜まっていた諸用を済ませて、また託児所へ戻った。
ギャン泣きで別れた次男も、案外機嫌良く遊んでおり、一安心。
長男も園に迎えに行って、みんなで帰路に着いた。
そのあたりからだ。
胃が痛くなってきたのは。
ああ重い、胃が重い。
指で胸の中心をグッと押されているかのようだ。
さらには塩分の取りすぎで、喉が乾いて仕方がなかった。
何度も何度も水を飲む。
なぜか手足もカラカラで、血の気がいっていない感じもした。
せっかくリフレッシュ託児をしたのに、体は絶不調だ。
夫が帰宅後、「託児して、ゆっくり休めた?」と聞いてくれたとき、私は「ううん」と唸るしかなかった。
今回は、完全に過ごし方を間違えたなと思う。
学生の頃は、この過ごし方でよかったかもしれない。
ポテトチップスをバカ食いして、ダラダラ過ごせばストレス解消。
だが、30代半ばの母である私は、こんな過ごし方ではだめだった。
体が拒否反応を示していた。
適当に過ごすと、身にこたえる。
ああ、もう若くないんだな。
好きなものを好きなだけ口に入れて、ゴロゴロだらだらと横になるような、「お粗末」な過ごし方ではいかんのだ。
もっと自分を大切にしよう。
体も心も、もっと労わろう。
キリキリと痛む胃をおさえながら、自分を粗末に扱った今日を、反省して寝た。
これからは、ポテチは程々にします。
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