本との出会いは、ホントの出会い
立ち読みが大好きだ。
子供の頃、TSUTAYAに行くと本格的に読み込むほどの立ち読みをしていた。
熱中しながら読み進めて、いよいよ面白くなってきた時に限って、「おーい、そろそろ帰るよ」と親が帰る合図をしてくるのだった。
大人になると、そういう邪魔もなく本を物色して、立ち読みをすることができる。
今は子供の時ほどしっかり読み込むわけではないが、相変わらず立ち読みが好きだ。
気になる本を手に取り、少しページを読み進めていく。
映画にも予告動画があるように、本にもお試し読みが必要だと思う。
立ち読みをして、いい所で読むのを辞めることによって、その本をさらに面白く読むためのスパイスになる気がするから。
お試し読みだったら、Kindleとかのウェブ媒体でも読めるが、本屋に足を運んで紙媒体で読む方が好きだ。
紙だから好きというより、立ち読みしているときの本屋の1部になった感じが好きなのだと思う。
立ち読みに夢中になっていると、つい熱中してしまって、本屋にいることを忘れてしまいそうになる。
ふと我に返ると、夢中になっていた時間を思い出して、本屋と一体化していたなと感じる。
その時間を実感すればするほど、いい時間だったなあと余韻に浸れる。なんだか、温泉に使った後のようにリラックスできるのだ。
本屋によってはにぎやかな所、静まり返った所と様々だが、私は静まり返っているような本屋が好きだ。
誰も他の人の目を気にせずに、本を物色している空間がいい。
本屋は本を買うためだけにあるのではなく、本と出会うのきっかけ作りのためでもある。
本を手に取り、紙の質感を感じながらページをめくっていくと、なんだかその本の中に入ったような気分になれる。
スマホで読んでいると、「そういえばこの前見つけた店のインスタってあるのかな?」とか、
他のアプリのことが気になったり、「明日暇?」みたいなLINEの通知が来たりして、本の世界に没入するのが難しい。(子供の頃のTSUTAYAに迎えに来る親現象、再び)
だから、noteもパソコンで書くようにしている。
本は自分のペースで読むことができるし、他の読者の目を気にせずに済む。
どんな解釈をしたっていいし、ネットにはない人生を救ってくれるような言葉たちが詰まっている。
やっぱり紙媒体は一生なくならないだろうと実感するのであった。
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