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かなやま

かなやま。

普段行くスーパーの鮮魚コーナーに売られていた魚。見慣れないかなやまを身を乗り出してまじまじと見た。

身はプリっとしていてすごく美味しそう。
そんなことを考える前に浮かんだのは、バイト先にいる「なかやま君」のことだった。

いつも同じ時間帯にシフトが入るなかやま君。
その子とレジとセルフレジの監視を交代でしているのだけど、「はい」しか喋っているところを見たことがないなあ。

ふわふわパーマの前髪は目にかかってるし、その上メガネをしているから目が見えない。

我に返ると、かなやまは割引のシールを貼られていた。よし、今日はこれで夜ご飯を作るか。

家に帰って早速調理を開始しようとしたが、かなやまをどう調理したらいいか分からない。

ていうか、かなやまってなんだ?
調べると2件の呼称が見つかった。

【カナヤマ】
標準和名「カタクチイワシ」のこと。

【カナヤマ】
標準和名「シイラ」のこと。

カタクチイワシ。シイラ。なんか聞いたことある。でも、ぶりとかサンマみたいにメジャーな魚ではなさそう。

魚といえば、「さかなさかなさかな〜さかなを食べると♪」っていうあの曲。ちっさいころよくスーパーで聞いてたな。

今考えると親と一緒にスーパーに行く機会ってそんなにない。子供の頃だけの特権というか。

スーパーに行くだけなのに、当時あれはあれで「お出かけ」になってた。

よくカートの下の部分に乗ってたな。あれで移動するのが楽しくて、あれもまた子供の特権だったな。

カナヤマについて調べて、また調理方法を調べるのはめんどうだったので、塩をふってフライパンで焼くことにした。

そろそろいいかな。焼けたカナヤマをフライパンから取り出し、皿に盛り付け食べてみる。

身がしっかりしてるように見えたが、食べると意外とフワフワしていた。

多分、カナヤマという名前を認知しながら食べたのは初めてだった。また、カナヤマを見つけたら食べてみよう。

そう思ってから半年が経った今、それから私はカナヤマを見つけることなく、メジャーな魚である鮭ばかり食べていた。

カナヤマ。なくなっちゃったのかな?
この記事を書き終えて見に行ってみると、当たり前の顔して鮮魚コーナーにいた。


追記
たまには中身のない気の抜けた文を書いてみました。特に何も考えずに。いつも、つい考えすぎて身がパンパンになってしまうから、たまには。(魚だけに?🐟)

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