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失恋で引き起こされる脳活動とは?

失恋というのは結構な痛みを伴うものですが、この時脳の中では何が起こっているのでしょうか。今回取り上げる論文は、この失恋に伴う脳活動について調べたものです。

「恋愛関係の別れを悲しむ女性の局所的な脳活動」

Najib, A., Lorberbaum, J. P., Kose, S., Bohning, D. E., & George, M. S. (2004). Regional brain activity in women grieving a romantic relationship breakup. American Journal of Psychiatry, 161(12), 2245-2256.

この研究では過去 4 か月以内に恋愛関係が終わった 9 人の女性を対象に、過去のパートナーを思い出しているときと、中立的な人を思い出している時の脳活動の違いをfMRIを使用して調べています。

結果として以下の違いが示されました。

・活動増加領域:
 小脳、脳幹後部、後頭葉
・活動減少領域:
 主に左半球の前頭前野、前帯状皮質、島皮質、側頭葉前部、脳幹前方、視床、

また悲嘆の程度が大きいほど、左扁桃体の活動低下が顕著であることも示されています。

この扁桃体の活動低下は、純粋な悲しみとは異なり、怒りや混乱など複雑な感情の変化と関連しているのではないかと論じられています。


明日読む論文:
恋愛の拒絶に関連する報酬、依存症、感情の制御システム
Fisher, H. E., Brown, L. L., Aron, A., Strong, G., & Mashek, D. (2010). Reward, addiction, and emotion regulation systems associated with rejection in love. Journal of neurophysiology, 104(1), 51-60.


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