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失恋の悲しみは依存症?

失恋というのは辛いものですが、それにもかかわらず私達は失恋の悲しみに好んで浸ります。失恋をテーマにした音楽などはその最たるものでしょう。

しかし、失恋時には一体私達の脳はどのように活動しているのでしょうか。今回取り上げる論文は、失恋した人たちの脳の働きを調べたものです。

恋愛の拒絶に関連する報酬、依存症、感情の制御システム
Fisher, H. E., Brown, L. L., Aron, A., Strong, G., & Mashek, D. (2010). Reward, addiction, and emotion regulation systems associated with rejection in love. Journal of neurophysiology, 104(1), 51-60.

この研究では失恋して間もない時期の人たち15名を対象に、過去のパートナーの写真と中立的な写真を見せて、その時の脳活動に違いを調べています。

結果としては過去のパートナーを見ているときにはコカイン依存症と似たぬ活動を示すことが報告されています。具体的には報酬系を構成する腹側被蓋野や線条体、側坐核、前頭前野の活動が高まることが示されています。

このことは拒絶された後も相手への愛情が続いていることを示しているのではないかと論じられています。


明日読む論文:
ロマンチックな愛からの脱落に関する現象学的研究
Sailor, J. L. (2013). A phenomenological study of falling out of romantic love. Qualitative Report, 18, 37.


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