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赤い箱 【詩】【ポエム】

ワイン色した この箱の名前は

ヴァイオリン

歌えない私が    歌うため
くびれた あなたを   あごに当て
つるの上で 音符を辿たど

空気の震え  こころ ふるわせる

つたう  振動
細胞が整う

一人でいる私が
どこかへけゆく

歌を作った魂も
時空を超えて   聴きに来る

それは
いばらの道を  突き進んだ者だけが
受け取れる 褒美ほうび

声を失くした歌い手と
竪琴リラを持たない オルフェウス

「自分らしさ」を取り戻すには、
赤い箱を 歌でいっぱいにして。

あなたの近くで きたい小鳥が
たくさん集まってくるから


【後記】

私は、歌を歌う事が苦手です。

その代わりに、私はヴァイオリンを弾く事で『歌う事』を疑似体験しています。


アンサンブルは、人間関係が難しいです。

時々、「楽しむ為に弾いているのに、どうして嫌な思いをしないといけないのか」と思う事もあります。

そんな時、私は器楽から逃れ 人の声で歌われた歌を聴きます。

私は「うた」に支えられているのです。

この詩の、一番最後の連・「あなたの近くで きたい小鳥」は、合奏仲間を著しています。🐦

カーペンターズの「Clos To You」を想い出して下さってもいいです。

ギリシャ神話に出てくる音楽の神・アポロンについてネットで調べていたら、その息子オルフェオに竪琴をあげたら名手になったという記述が出てきました。

そして、小型のハープのような「リラ」という楽器。(※呼び名は複数あるようです)
ヴァイオリンの起源となった楽器かもしれない、という記述も出てきました。

また調べてみようと思います。🎶

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