TSUMUGI

自作ポエ厶。 https://www.instagram.com/tsumutsumu…

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暗闇の地図 【詩】【ポエム】

知らない土地の 地図の上 肩をつかまれ 空中から放たれる ぐーるぐる廻る  世界が廻る 心も平衡感 失くす 進むしかない  真っ暗な中でも 手探りで 明るいストーリーの映画観ても 現実は変わらない 「頑張って」とか「無理しないで」だとか そんな言葉は 今の私には 効かない薬 思いあぐね  歩きあぐね  進みあぐね… 真っ黒な空から 垂らされた星の涙 地球は何で できているの 欺瞞、それとも… 用意された迷路のように 出口に 正解は無い それは自

    • パイプオルガン【詩】【ポエム】

      母なる胎内 響く心音 持続する低音 永遠  それはこの胎内でのみ 成立する 生命 吹き込むパイプ 神に近づきたいと はやる気持ちが 虹をも つかまんとする その手を操る 残響は 次代への 架橋 胎内から腹を蹴る 赤子の足 母は喜んでいる 熟成の時を経 かくて 音楽は生まれるのだ

      • 桜並木【詩】【ポエム】

        朝霜の並木 花冷えの時刻 春 祝う花 いつも ここに 居てくれて ありがとう 橋の袂 うつむくと 水鏡に映っているのは 心模様 焦らなくていいから 咲く時期は   人それぞれ 夢のつぼみを 間違って手折らぬように   一歩ずつ  その時を 私は ここで 待っているから どこにも 逃げないから 嬉しい報告を  待っているよ 【後記】 桜の詩、またまた書いてしまいました。 数えたら 5個目🌸🌸🌸🌸🌸でした。 よくできました🌷 (笑) やっぱり、見

        • 赤い箱 【詩】【ポエム】

          ワイン色した この箱の名前は ヴァイオリン 歌えない私が 歌うため くびれた あなたを 顎に当て 弦の上で 音符を辿る 空気の震え  こころ ふるわせる 伝う 振動 細胞が整う 一人でいる私が どこかへ翔けゆく 歌を作った魂も 時空を超えて 聴きに来る それは 茨の道を  突き進んだ者だけが 受け取れる 褒美 声を失くした歌い手と 竪琴を持たない オルフェウス 「自分らしさ」を取り戻すには、 赤い箱を 歌でいっぱいにして。 あなたの近くで 

        暗闇の地図 【詩】【ポエム】

          プラネタリウム【詩】【ポエム】

          夜空が絵本だった頃 人は 想像力を働かせ 空に物語を描いた 一番星よりも 月よりも 眩しい光が いくつも灯る 今よりも ずっとずっと昔 肩を寄せて こどもに読み聞かせてたんだ 「地球は丸い」 なんて知らなくて 頁をめくるたび 夜は深くなって 造り物だとわかっていても 流れ星には 願をかけるよ 光は獲得したけれど 失った想像力は どこに落としてきたのかな

          プラネタリウム【詩】【ポエム】

          仲直り 【詩】【ポエム】

          ごめんね 僕には わからない 無神経な言葉 発していても 逆撫でした気持ち  想像力の欠如 そんなつもりじゃなかったんだ ねぇ すねた子供が機嫌直した時みたいに 何事もなかったかのように 笑ってよ スコーンには紅茶が 合うように きみには笑顔の方が似合うから 許した事も 許せない事も 全部くちゃくちゃに丸めて 今度  会った時には 何事もなかったように 手を振って あの門の前で 立っていて 【後記】 女心は、男性にとってわかりづらいものがあるの

          仲直り 【詩】【ポエム】

          流るる果実【詩】【ポエム】

          カシスの色は 夕日に焼かれた海の色 酸っぱくて甘い味覚が あなたを想い出させる カシスの色は 執着の色 その紫は  甘い言葉で「こちらにおいで」と ささやいているようにも見える 私が  あなたにとりつかれ 執着し、のめり込むように それが苦しみに変わってしまうのなら 手の中にある ぬくもりの記憶を 消してしまえたら 楽になるのに カシスの色は 嫉妬の色 赤紫の海に浮かんだ私の気持ちは どこに流れ着くのか 誰にもわからないのです 【後記】 私は、この詩を「秋に

          流るる果実【詩】【ポエム】

          孤独の家【詩】【ポエム】

          この部屋の  君との思い出 かみしめる 味が しなくなるまで 虚しさを数えた 君との時間 食器の数 多く出し過ぎる そんな癖も 直った 寂しさも 心地よさに これからは 平坦な道も 上り坂も 一人で歩くんだ 坂の上で あの頃の自分 思い出す いつか あの小さな川から この家 見上げて 懐かしく思うんだろう 風が通り抜け 何かを告げた 古時計 孤独の鐘が鳴る

          孤独の家【詩】【ポエム】

          もっと小さな音で【詩】【ポエム】~燻らし奏法について~

          わたしは 今日も 煙  燻らすようにピアノ弾く それは 実体は無く 変化していく 音の影 ざらざらした鍵盤 吸い付く指 ピウ・ピアーノ もっと小さな音で そっと押し込んだ鍵盤が あの日射抜かれた 心を撫でていく 音に もたれて 流るる思い出 煙る残り香  虫の音  協奏曲 窓の外  誰かがピアノのささやき  聴いている 【後記】 秋がやってきましたね。 ピアノを弾かれる方は、わかって頂けると思うのですが ピアノを、ごくごく小さいピアニッシモで弾きたい時

          もっと小さな音で【詩】【ポエム】~燻らし奏法について~

          眠りたくない夜と眠る 【詩】【ポエム】

          誰にでも嫌な日はあるけれど 次の日に持ち越せない この気持ち これを抱いたまま眠らないといけないのか 夢の中で 私は鬱憤を晴らす 「あの時言った "ありがとう”を返して」 と 去りゆく背中に  後ろ向きの感情  投げつける 暗い闇の中でもがく私を あなたは どこかで隠れて 笑っているの? 今は あなたから後ずさりして 離れるわ 明日の夢は 逆夢 本当に声が出るほど 夢の中 叫び  迎えた朝には 太陽と一緒に生まれ変わっているからね

          眠りたくない夜と眠る 【詩】【ポエム】

          机 【詩】【ポエム】

          机の上には 花瓶がひとつ 丸い口 開けて 花を待つ 枯れるのが怖くて 花が買えない  臆病な心 得てしまったが為の 憂い 感じたくないから 傷付きたくないなら 言い訳 束ねて 枯れない花を生ければいい 心の中に 引き出し いっぱい 持っていたい 引き出しに乗って 色んな世界へ 行けるから 辛くて逃げるのも一案 そんな自分も 認めてあげて 異なる世界を行き来したら 答えは一つじゃない、ってわかるから 真っ白な紙に 自由に絵が描けますか 誰かに与えられた課題ではな

          机 【詩】【ポエム】

          待ち桜 【詩】【ポエム】

          あの仔が逝った  その年に 桜の枝は 切り落とされた まるで 何かの罰の様に 縦一直線に 切り落とされた 素直に枝を 伸ばしただけで‥。 桜咲く 去年切られた 枝の先から 「意地悪など 気にも留めない」と 言いたげに 「それが どうした」と言いたげに 桜咲く 来年も咲く 「負けるもんか」と言いたげに 「あなたにも、できるでしょう? 」と言いたげに 【後記】 あけましておめでとうございます。 皆さんは、もう おみくじは、引きましたか? 一時、おみくじを引くのが

          待ち桜 【詩】【ポエム】

          欠けた花火 【詩】【ポエム】

          ベランダから見た花火は 半分しか見えなかった だけど私は寂しくはない あと 半分は想像力で埋めるから ”季節外れの花火も いいもんだね”って あの場所で言ってた あなたの声を脳内再生 年の終わりに 人は駆け込むの 今年 叶わなかった欲望を満たすために 空虚感を埋めるために 達成した事をカウントして ほくそ笑むの あなたの肩に もたれかかる 自分を想像して 寒ささえ 味方につけて 想像力は 毛皮の暖かさにも勝るの 炎は この胸の中に 灯すわ。

          欠けた花火 【詩】【ポエム】

          冬の海 【詩】【ポエム】

          冬の海は 兵どもの 抜け殻さ どこへ 行ったの  あの人達は 耳の奥には 歓声の残骸 足元には 漂着した地球の溜息 さざ波は 拍手 拍手に包まれて歩く砂浜で  宝探し 思いがけず 綺麗な貝殻 見つけた時みたいに 誰かの優しさに触れられますように あなたの 隣に居る人達は  頑張っているから そこにいるんだって事、 忘れないで。 傍にいる人に 拍手をしてあげて。 水平線の向こうに 行ってみたいと思う、 こんな日に。 【後記】 「今日はどこにも行きた

          冬の海 【詩】【ポエム】

          万年筆【詩】【ポエム】

          「書きたいならこれで書けよ」 と 君がくれた万年筆 真っ暗な部屋で 声をころして泣いている 紡ぎたい思いは たくさんあるのに 浮かぶのは 手垢のついた言葉ばかり かじかんだ手で書けば 悔しさでインクが滲む 月夜に渡す 希望の舟を 向こう岸へと漕ぎ出す オールを下さい このペンが そのオールとなりますように 前を見てください 切なる願いを乗せて 漕ぎ出した舟が 座礁しないように インクの色に 気持ちを託して ペンが滑り出しますように。 何気なく ぱらぱら

          万年筆【詩】【ポエム】

          音の神様が降りる時【詩】【ポエム】

          あなたは何故 音を奏でたいの 七つの音色 虹の回廊を たおやかに渡る 音楽の神様 その 芸術の神に ひざまづき かしづいても 微笑んでくれるとは 限らない ただ、 思いもかけない出来事は 不幸な事ばかりじゃなく 素敵な事でも 起きるから… かつて絶望の泉の底にあった 希望の原石は 光を失わず すくいあげられる その時を待っていたのです 芸術の神様の 衣擦れの音が近づけば からまった糸がほぐれるように 「ああ そうだったのか」と 気付く時が来るでしょう 魔法を使って

          音の神様が降りる時【詩】【ポエム】