【知ったかぶりの馬鹿共の戯言】キャノーラ油は第二次世界大戦中にエンジン潤滑油として開発されたのではありません。

Facebookの投稿にあるように、キャノーラ油は第二次世界大戦中にエンジン潤滑油として開発されたのが最初なのでしょうか?いいえ、それは事実ではありません: キャノーラ油は菜種から特別に育種された植物から作られています。菜種から採れる油は、第二次世界大戦中に機械潤滑油として使用されていました。しかしながら、今日私達が知っているキャノーラ油は、1970年代に開発されたものであり、菜種油とは栄養学的特性が全く異なります。キャノーラ油は食用として安全です、と米国FDAは述べています。

この主張の一部は、2024年5月8日にFacebook上に投稿されたもの(アーカイブはこちら)で、以下のようなテキストが重ねて表示されていました:

キャノーラ油は、航空機エンジンの潤滑油として第二次世界大戦中に開発されたものだ。これを使って料理したり食べたりしないで。😳👇

Canola oil was developed during WWII... - Juicing For Health | Facebook

以下は、このファクト・チェックが公表された時点の投稿(のスクリーンショット)です:

(出典:2024/05/10 20:50:24 UTCに取得されたFacebookのスクリーンショット)

キャノーラは、カナダの植物育種家が1960年代から70年代にかけて開発した菜種の遺伝的変異種です、とノースダコタ州を拠点とする組織、北部キャノーラ生産者協会(アーカイブはこちら)は記しています。キャノーラの原産植物である菜種から採れる油は、第二次世界大戦中に潤滑油として使用されました。カナダ・キャノーラ協議会(アーカイブはこちら)によりますと

カナダの菜種生産の必要性は、第二次世界大戦中に連合国軍が必要とした菜種油の危機的な不足から生じ、1940年代初頭にヨーロッパとアジアの供給源の封鎖を打破するためにカナダが供給しました。この油は、海軍や商船に搭載される船舶用エンジンの数が急増したため、潤滑油として緊急に必要とされたのです。

History of Canola Seed Development | Canola Encyclopedia (canolacouncil.org)

キャノーラ油は、戦時中の潤滑油として使用されていた菜種油とは異なります。キャノーラ油は、一価不飽和脂肪酸であるエルカ酸の含有量(アーカイブはこちら)が低くなるように特別に品種改良された菜種由来の食用油です。キャノーラは、マスタード、ブロッコリー、カリフラワーと並ぶアブラナ科の植物です。米国キャノーラ協会(アーカイブはこちら)によりますと、米国、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ、中国で栽培されているということです。

カナダの情報提供団体canolaInfo.org(アーカイブはこちら)は、キャノーラ油(アーカイブはこちら)と菜種油(アーカイブはこちら)の栄養価は全く異なると付け加えています。

1960年代初頭、カナダの科学者達は伝統的な植物育種技術を駆使して、「菜種に含まれる2つの好ましくない成分--油に含まれるエルカ酸と粕に含まれるグルコシノレート--を実質的に除去し、CanadianとOlaを縮めた『キャノーラ』という品種を開発しました」、と米国キャノーラ協会(アーカイブはこちら)は述べています。

北部キャノーラ生産者協会(アーカイブはこちら)によりますと、望ましくない成分を両方とも低く抑えた最初の「ダブルロー」品種は1974年に開発さ れたとのことです。

1978年、「キャノーラ」はカナダで商標登録されました、とマニトバ州キャノーラ生産者協会(アーカイブはこちら)は述べています。

2024年5月10日に届いた電子メールで、米国FDAの職員はLead Storiesに対し、「キャノーラ油は一般に安全と認められている(GRAS)成分です」と述べています(アーカイブはこちら)。

その他、Lead Storiesが健康関連の主張を否定した記事はこちらからお読み頂けます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?