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三つ子の子育て自立まで

子育てが怖くならないために、何を大切にしたらいいのか。
ヒントは、親の会の中にたくさん転がっている。

3歳までは孤育てと格闘すること

私は都市部に住んでいる。
近隣に知り合いや親戚もなく結婚に伴い仕事のしやすいアクセスのよいところに転居してきた。
そのようなわけで、孤育ては何も考えなかったら、すぐ目の前に迫る感覚がある。

事実授乳期間中は、睡眠もとぎれとぎれで新生児の生命を守ることに必死。孤育てになっていることにも気が付かないくらいに、ぐっすり寝られない毎日はいつまで続くんだろうとネット検索しまくっていた。

オス猫が一匹いるが、この猫が、新しい住人を受け入れず、特にベッドの上にマーキングしまくる。ただでさえ、新生児との生活は洗濯物の量も増える中、猫のおかげで毎日ベッドの寝具を丸洗いし続けていた。

毎日に余裕がない。

ある時、ふと気が付いた。
夜も昼もなくただひたすら、子どものフリードリンクマシンになっていた時。

僕は自分のリズムが崩されるのが嫌なんだ

出産したその日から病院で授乳とおむつ替えの毎日が始まった私に、
「僕は自分のリズムが崩されるのが嫌なんだ」と言い、
かたくなに独身時代の行動パターンを変えない夫。
夜中に外出するのが大好きな夫。
子どもの調子が悪そうだから、家にいてほしいと言っても、
「僕は自分のリズムが崩されるのが嫌なんだ」と言って出て行ってしまう。
予感的中で、子どもは夜中1時過ぎくらいから、発熱が始まり咳き込むと嘔吐してしまう。
ただでさえ、洗濯物に囲まれている中で、さらに授乳と洗濯物と夜間救急を検索している時に、発狂しそうになった。


この時に、親の会で出た話題を思い出した。
夜中に泣く赤ちゃんと母親に向かって
父親「明日仕事なんだから早く泣き止ませろ」

あの時の言葉が忘れられない

親の会に参加していた時は、その方の子どもはもう小学生。
怒りの感情が、つい最近あった出来事だったんじゃないか、というくらいに
鮮やかな熱量だった。
そのご家庭は、父親が子どもの不登校を受け入れず、母親が家庭内で子どもを守らないといけない、という状況だった。
母親が子育ての主軸を担い、父親は母親にお任せをしている。
その方の怒りの感情と、思春期に入ろうとする子の子育てがとてもつらそうだった。

あの時の言葉や母親の感情を、発狂しそうになりながら思い出した。
私は怒りの感情を子育て中ずっともちたくはない。きっと誰でもそうだろう。そして、母親の子育てで感じる不安や怒りが、私の「子育てが怖い」という気持ちを一層増強する。

じゃあ、どうしたらいいか。乳幼児期の子育てをするのは、核家族である以上、私と夫しかいない。
答えは、夫も子育ての主体者の位置に立つこと。
母親さえいればいいと思わせてしまった自分がいることも反省した。

女性は生まれたその瞬間から母親にさせられるし、断ることもできない。心の準備よりも先に、病院に入院中から生活が一瞬にして子ども中心になってしまう。男性は病院から母子が出てくるまで実感がわかない。新生児時期の男性のワンテンポ子育て参加が遅れるというズレは、時間経過とともに放っておくと、広がるのではないかと思う。

そんなことを思った時に、夫に子どもをまかせる時間を作る必要があると思った。母乳育児をしているから子どもから離れてはいけない、という思い込みを横に置いて、夫が子どもを見ざるをえない状況を作ることにした。
ここから私の「弧育て」との格闘が始まった。
つまりは、夫が子育ての主体者になるのか、ならんのか揺さぶる毎日を始めることにした。

あの時のこと言わんといて

今となっては、子どもの食事も作るし寝かしつけもするし、学校へ行く準備も子どもとするし、子どもと遊びにでかけるし、母親がいなくても子育てをしっかりしている父親になった。
「なんで変わったん?」と聞くと
「今までのままではあかんねんなって思ったから」と返ってきた。
そして、「あの時のこと言わんといて」とバツが悪そうにも言う。

女性は出産直後から生活が一変する。
男性は退院直後からすでに生活が一変している女性と子どもに出逢い、戸惑う・・のだと思う。
男性の戸惑いを理解する必要もあるとは思うけれども、やっぱり新生児育児に突入していた私には、余裕がなかった。そして、戸惑う夫に対して、子育て参加を促すエネルギーを割くことよりも、子どもにエネルギーを注いでしまった。

怖いと思いながら子育てをしたくない
夫も子育ての主体者になってもらわないと子育てへの恐怖心が強くなってしまう。
結果、「子どもを私が見なければ!」ではなく、「子どもを私と夫で見なければ!」に相当意識して私も変わったのだと思う。

今のところ、3歳までの子育て環境は、その後の子育てにつながる、と思っている。

だから

三つ子の子育て自立まで

なのかな。
と今のところ思っているし、乳幼児期子育て中に夫に子育て参画をするよう覚悟して闘ったのは、良かったと思っている。

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