見出し画像

映画「ジョジョの奇妙な冒険」感想:ファンは納得の映像作品

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
通称4部の実写映画を見たので感想文。
未見を損なわない程度のネタバレあり。

そんなわけで、ジョジョの大ファン、DIOの子どもたち以外はスタンド名と
キャラ名が一致していることでお馴染み(?)な僕の実写映画感想です。

とりあえず先に言っておくと
大まかな感想としては、納得できる良作品だと思いましたので
実写映画全否定系ではないのでご安心ください。

めっちゃ良いOPと音響

とりあえずまずこの映画、OPの映像や
BGM効果音の類がめっちゃ良い。

アニメジョジョのこともあり、ジョジョとはこういうものだ。
という意識が高い。

それだけで映画って十二分に価値があるんじゃないかと思っているので
とりあえず、そこだけでも、ファン・初見問わず楽しめる
一番いい部分かなと思いました。

キャラクター

とにかく、キャストが良い。

康一くんがまず良い、神木くんが上手いのもあると思うけれど
康一くんってこうだよね、っていう変な溜めとか大げさな驚きとか
そういう点をすごく拾ってて、神木くんすげぇ~~~って素直に思った。

ただ、なんで転校生設定になったのかは謎。
山岸由花子との接点を持たせたかったのかもしれないけど
そもそも、山岸由花子自体、序盤から出てくる必要のないキャラなので
何故そこ変えた?という謎が残る、全三部作予定だそうなので
必要になる部分が出てくるのかもしれないし
単純に女子を出したかったのかもしれないし、何にせよ謎。

億泰が、億泰すぎて、めちゃくちゃ良い。
億泰はこう、というのがもう完璧に拾えている。
実際に居たらこんな感じのやつ、というのが明確にわかる。
減点のしようがない、億泰っぷり。

反面、主人公の仗助には少し残念なところも。
キャスト本人が仗助をあまり好きじゃないのか、ジョジョ初見なのか
あるいは、読んでいても仗助自体のキャラを掴めていないのか。
仗助というよりは、ただの気のいいヤンキーの兄ちゃん。
康一くんと億泰が完璧すぎるだけに、また際立ってしまう。

形兆についても概ね同じくだけど、形兆というキャラ自体が4部の中で
出番の少ないキャラなので、まぁこんなもんかなぁ、くらいの感想。

承太郎もめっちゃいい。
原作では20代のはずだが、実写ではどう若く見つもっても40代に
しか見えないので、老けすぎているという点はあるものの
実写映画に前作があるわけでもないので
そういうおじさんだよ。で通ると思うので個人的には気にならない。
それよりも、リアルに歳を重ねた承太郎っぽさが出ててむしろ好感。

アンジェロについては、山田孝之になにか言うのも野暮。
おじいちゃんや、お母さんについても、キャライメージピッタリでベネ。

全体を通して説明が無さ過ぎる

ここが正直一番気になったところ。

僕なんかは、ジョジョの設定を知っている状態で見ているので
例えば、スタンドへの攻撃は本体へのダメージになる。
などのルールを知っている。
しかし、作中で説明がない。
あるにはあるのだけれど、序盤はそういう演出が入ってるので理解してね
という感じで、名言されるのは後半中の後半。
康一!スタンドへの攻撃は本体へのダメージになる!
の一言のみ。

クレイジーダイヤモンドは、壊して治せるよ、分かるでしょ?
だから、アンジェロと岩を合体させれるよ、予想ができるよね?
だったり、承太郎の時止めについても、時が止まったよ、見て分かるよね?
ザ・ハンドについても「空間を削り取る」よ、分かるね?

みたいに、説明がとにかく無い。

もっというと、仗助が「ジョジョ先輩」と呼ばれてる件についても
山岸由花子が「じょうとすけで、どっちもジョって読めるでしょ?」
と口頭で説明してくれるものの、作中で「仗助」という字なことが
明確ではないので、何言ってんのか分からん。となってしまうことが多い。

設定とシナリオの改変どうして

前述したとおり、承太郎の年齢設定変更などは全然アリだと思う。

しかして、同じく前述の康一くんが転校生設定になってる意味や
「ジョジョ先輩」が示すとおり、何故か2年生になってる皆

昔の因縁じゃなくて、つい最近の因縁で付け狙ってくるアンジェロ

それ必要あるの?という改変が結構多い。

割に、1ミリもカットされないせいで、すごく長い
虹村兄弟のお父さんのシーン。
正直、虹村父のシーンは、4部屈指の名シナリオだとは思う。
が、映画単品に関して言えば、1時間前に出てきた形兆という謎の男が
長々と自分の父親の話をしてくることについて違和感を感じざるを得ない。
もう少し尺が短くても良かったんじゃなかろうか。
他に説明することいっぱいあったし・・・と思ってしまう。

そして、レッド・ホット・チリ・ペッパーの削除。
形兆を殺すのがシアーハートアタックに変更されている。
これについては、吉良をさっさと出したいので、音石カットシナリオで行くという方針なのは文句がない。アリだと思う。
しかして、形兆が吉良の正体に気づいた描写も特に無く
吉良がわざわざスタンドを大勢に見られるリスクを負ってまで
あのタイミングで殺す理由はあったのか
という点なのが次回があればちゃんと語ってほしい。


女の子が絡んでないのに人殺す吉良は解釈違いなので
(めんどくさいオタク)

そして、むしろなんで削除しなかったのかが謎なのが
弓と矢の存在。
4部以降を読んでいる人なら知っていると思うが
弓と矢は対である必要はなく、矢があればいい。
なんなら、矢じりにチョンと触れただけで徐倫はスタンドが発現
したくらいだから、矢舳も要らないし、射る必要もない。

なのに、何であんなダサい弓矢で撃つシーンを削除しなかったのか。
だって形兆、ゲロダサいんだもん……。
矢で突き刺すとかで良かったんじゃ……?

変な改変ばかり目立って
そこは改変していいからカッコよくして!
という点が逆に改変されないのも
実写映画がディスられる要因の一つのような気もする。

ゲロくそかっこいいCGと残念カメラワーク

CGがゲロくそかっこいい。

スタンドも、スタンド以外も、全部

お金使いまくってるなって思う。
すごく贅沢。

まじで文句ない。ファンもこれを見に来たんでしょといわんばかり。
前述した音響とも合わせて、ほんとに良い。

逆に、見たこと無いファンの皆さんは
スタンドを見るためだけに見ても良いくらい。

なんだけど

残念なことに、この映画、終始カメラワークが悪い。
せっかくのスタンド発現シーンも、ずっと真横アングル。
キャラ同士の会話も大体引きカメラのまま、ぼっ立ちで喋る。
ジョジョならではの、クソ近カメラとかが無い。

億泰の「兄貴ィーー!!!!」くらい煽りドアップにしてほしかった。

ロケ地がフランスらしいので、天候とかなんかこう色々あったのかもだけど

せっかくのCGが霞んでしまう、悲しすぎるカメラワークが非常に残念。

というわけで総評

ファンなら80点

ファン以外は「何だこの映画?ジョジョってこんなんなんだ?」

そんな感想をいだきそうな映画でした。

どうしても実写映画は、ファンが敵がになってしまうパターンが多く
そこに対して、ファンを喜ばせようという試みについてはとても素晴らしいと思うのだけれど
一般人にウケなければ、収益にもならず、次回作も出ないので。

バランスを間違えたのかなぁ……と思う次第。

ただ、やはり億泰とスタンドのCGを見れただけでも良い映画だったので
イチジョジョファンとしては、称賛を贈りたい。

……次回作出る……の?

おわりです。

画像1



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?