5分でわかる太陽光パネルのごみ問題
皆様こんにちは!
今、もっともDXとサーキュラーエコノミーに熱い男、健一です!
私は産業廃棄物やリサイクルを中心とした事業会社出身で、この産業にDXをもたらすべく、廃棄物業界向けの配車システム「JOMYAKU」を手がける会社にジョインしました。
今回は5分でわかる太陽光パネルのごみ問題というお話を書いていきたいと思います。
東京都 新築一戸建てに太陽光パネルの設置義務化 全国初の条例制定へ
東京都が新築一戸建てに太陽光パネルの設置を義務化する記事やニュースを見た方も多いのではないでしょうか?
小池都知事は定例記者会見でも「CO2の削減が一番進んでいないのが家庭だ。家庭部門の再エネ導入を進めるということで提案した」とその意義を強調していました。
脱炭素に向けた再生可能エネルギーの導入促進は非常に重要なポイントといえます。
しかしながら、太陽光パネル導入が「本当に環境に優しいの?」という意見や適正なリサイクルルートの確率なしに義務化をスタートするのは見切り発車だという意見も散見されます。
「本当に環境に優しいの?」に対しては、多角的な検証が必要なため今回はリサイクルについてご説明していきます。
2022年7月より太陽光発電の廃棄費用の積立制度がスタート
再エネ特措法の改正によって、廃棄費用の外部積立が原則として義務化されます。
もともとFIT(電力の固定買取価格制度)には、廃棄費用相当額が含まれていますが、実際に積み立てている事業者は2割程度といわれています。
廃棄する費用の積み立てが行われていなければ、不法投棄や不適正処理の懸念が高まるため、こういった積立制度が義務化することは非常に重要といえます。
太陽光パネルの廃棄量のピーク
太陽光パネルの本格導入が始まったのは2009年で、パネルの製品寿命は寿命は20〜30年と言われており、2030年代になると寿命を終えた廃棄パネルが急増すると見られています。
環境省によると、廃棄量は18年の約4,400tから40年には約80万tに膨らむ見通しとなっています。
太陽光パネルのリサイクル
太陽光パネルリサイクルの技術は着実に進化してきています。
太陽光パネルの構成は下記のようになっています。
・ガラス 70%
・アルミ 10%
・EVAセル 10%
・その他金属 10%
※EVAセルとはガラスとセル(発電する部分)を接着させる充填剤(封止材)
リサイクルの基本はそれぞれの素材を分離・選別することが必要で、上記の素材を分離する技術が確立されてきております。
様々な方法で、ガラスやセルシート、金属を分離することができています。
また、製品によっては重金属や化合物も含まれていることから、そういった物質が入っているか事前に把握した上での処理が必要になります。
処理場によっては、重金属や化合物入りのパネルに対応していないケースもあります。
もっとも重要なことは、集める仕組みづくり
太陽光パネルのリサイクルで一番重要なのは、不要となったパネルが適正に集められる仕組みを作ることでしょう。
今までの廃棄物の歴史を見てみれば、自由な取引にしていると有価性の高い方に流れてしまい、適正に処理されない海外に流出していく可能性もあります。
「家電リサイクル法」や「自動車リサイクル法」など各種製造メーカーを巻き込んだリサイクルスキームが必要になります。
しかしながら、日本製の太陽光パネルの世界シェアは2003年に52%を頂点とし、現在では1%となっています。
圧倒的なシェアは中国で、67%にも登ります。仮に日本で法律を作ったとしても、水平リサイクルなどの取り組みは国内メーカーの存在感がなければなし得ません。
現在のルートは下記のようになっています。
いかがでしたでしょうか。
太陽光パネルのリサイクル技術がすでに確率されていることは理解いただけたかと思います。
脱炭素の声も爆発的に高まりを見せており、再生可能エネルギーの需要は右肩上がりです。
その中で太陽光発電が果たす役割も大きいと共に、適正にリサイクルされる世界を作っていかなければなりません。
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