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【廃棄物処理法解説】環境省通知を学ぼう『産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)』

皆様こんにちは!越後谷と申します!
静脈産業に長年従事し、法令関連の記事制作を担当させていただきます。
今回は産業廃棄物処理業界にお勤めの方が1度はお世話になったことがあると思われる『産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)』について解説します。

〇産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)〔環廃産発第110317001号〕とは?

入手先:https://www.env.go.jp/content/900479496.pdf

産業廃棄物管理票(以下、マニフェスト)は1993年(平成4年)に特別管理廃棄物のみの運用が開始され、1997年(平成9年)に全ての廃棄物で運用されるようになった制度です。
マニフェストの運用で様々な問題があったため平成13年3月23日に産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)〔環廃産第116号〕が発出されました。
その後、2010年(平成22年)に廃棄物処理法が改正され、翌2011年(平成23年)に施行されることから必要な見直しを行って発出された通知が今回解説する、産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)〔環廃産発第110317001号〕になります。
環廃産発第110317001号が発出されたことに伴い環廃産第116号は廃止されています。
なお、環廃産発第110317001号は通知を識別するために付けられた文書番号です。データベースのユニークキーのようなものです。

概要

本通知は産業廃棄物管理票、電子情報処理組織 (電子マニフェスト)、虚偽の管理票の交付の禁止、管理票の交付を受けずに産業廃棄物の引渡しを受けることの禁止の4つのことが書かれています。
4つのうち産業廃棄物管理票に関することが分量として一番多くなっています。
ほとんどの内容は、廃棄物処理法の内容に沿った事柄が述べられていますが、個人的なトリビアっぽい内容を抜粋していきます。 
通知の文章は筆者が簡略化していますので、ご注意ください。

第1 産業廃棄物管理票
2.管理票の交付
(1) 交付手続
①複数の運搬車両で運搬する場合、通常はマニフェストを運搬車両ごとにマニフェストを交付しなければならないが、複数の運搬車両に対して産業廃棄物を同時に引き渡し、かつ、運搬先(積替・保管施設・処理施設)が同一である場合には、1回の引渡しとして管理票を交付して差し支えない。
※めったに遭遇する機会はないとは思います。筆者も20数年業界で働いていましたが1回だけこの事例に遭遇しました。
先入観で複数台の車両に対してマニフェスト1枚はありえないと判断し
てしまう事例です。
   
② ビルの管理者等が事業者の産業廃棄物を運搬受託者に引き渡すまでの集荷場所を事業者に提供しているという実態があり、産業廃棄物が適正に回収・処理されるシステムが確立している場合には、事業者の依頼を受けて、集荷場所の提供者が自らの名義においてマニフェストの交付等の事務を行っても差し支えない。
排出事業者責任は事業者にあり、処理委託契約は事業者の名義
で行うこと。
※ビルの管理者等と端折っていますが、農協や自動車ディーラーにも触れています。外部倉庫からの搬出といった場合も該当しそうです。
 
③マニフェストは産業廃棄物の種類ごとに管理票を交付することを原則であるが、例えばシュレッダーダストのように複数の産業廃棄物が発生段階から一体不可分の状態で混合しているような場合には、これを1つの種類として管理票を交付して差し支えない。
※一体不可分の混合廃棄物でいえば、蛍光灯、乾電池も代表的な例だと思います。

(2) 記載事項
②「数量」の記載は、重量、体積、個数などその単位系は限定されない。
 ※数量は排出事業者が記入する欄ですが、業者側に記入させといて無駄にこだわりのある排出事業者に困ったことありませんか?

3.管理票の写しの送付
(1) 収集運搬を受託した場合
①事業者に管理票の写しを送付するのは、運搬の最終的な目的地まで運搬し、運搬業務を完了させた運搬受託者であること。
※通知本文には例として再委託の場合が記載されていますが、積替え保管を経由した場合の最終区間を運搬した場合も該当します。

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