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災害発生時の廃棄物問題

皆様、こんにちは!JOMYAKUの佐々木です。
今日は近年の地震、集中豪雨、台風上陸による災害廃棄物や今後起こるとされている南海トラフや首都直下地震などの巨大災害発生時の災害廃棄物のお話です。

皆さんは日本で排出される廃棄物の量ご存知でしょうか?令和2年度速報値では産業廃棄物が約3億9,200万トン、一般廃は4,167万トンとなっています。

東日本大震災の災害廃棄物は2,018万トンとされていますので、全国の一般廃棄物の年間発生量の約半分に相当する量となります。また、津波による堆積物処理や除染土壌等も発生していることを加味すると如何に大量の廃棄物が発生しているのかがわかります。

環境省HPより抜粋

福島、岩手県、宮城県合わせて40基弱の仮設焼却炉が建てられたりと処理場の確保だけでなく、一時的な仮置場や保管場所もの確保にも必要となってきます。放射性廃棄物も発生したということで用地の確保・選定は東日本大震災の重要な教訓といえます。

災害廃棄物は一般廃棄物にあたるので市町村管轄になりますが、市町村の行政機能も損なわれていたため、県に委託する形がで進められてきました。その後「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法」に基づいて国が講ずべき措置も明文化され、民間の廃棄物処理会社にも協力の要請がされていきました。

私自身も当時、福島県に最終処分場を持つ産廃処理会社に勤めていたこともあって、処分場に連日トラックの行列ができるのを目の当たりにしてきました。最終的には年間処理計画の約5倍にあたる災害廃棄物を受け入れしておりました。

また、東日本全体的の廃棄物の放射能レベルにシビアになり、放射線が集まりやすい廃棄物(空調フィルター等)が処理困難物となってしまい、排出事業者さまに受入不可の説明をしていた記憶があります。

東日本大震災の実績等を参考にて環境省による災害廃棄物等の発生量の推計があります。

南海トラフ巨大地震では、最大で災害廃棄物が約3億2千万トン、津波堆積物が約3千万トン発生と推計。
首都直下地震では、最大で災害廃棄物が約1億1千万トン発生と推計。
東日本大震災の発生量(災害廃棄物約2千万トン、津波堆積物約1千万トン)と比較して、南海トラフ巨大地震では最大で約16倍の災害廃棄物と約3倍の津波堆積物が発生し、首都直下地震では最大5倍強の災害廃棄物が発生。

下記には発生した災害廃棄物を既存施設で処理した場合の処理にかかる年数となります。
場所によっては途方もない年数が必要になってくる可能性があります。

※環境省HPより抜粋

震災はいつやってくるかわかりませんし、地震だけでなく、冒頭で述べたように毎年のように自然災害がおこっています。

東日本大震災の教訓も活かしながら、災害発生時の円滑な処理体制の早急な構築が求められます。

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