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静脈産業出身者が解説する「DOWAエコシステム」

皆様こんにちは!
今、もっともDXとサーキュラーエコノミーに熱い男、健一です!
私は産業廃棄物やリサイクルを中心とした事業会社出身で、この産業にDXをもたらすべく、廃棄物業界向けの配車システム「JOMYAKU」を手がける会社にジョインしました。
今回は、業界出身者が解説する「静脈産業 企業紹介シリーズ」と題して、DOWAエコシステムについてご紹介していきます。

DOWAエコシステム株式会社はどんな会社?

DOWAグループは1884年、明治政府から秋田県小坂鉱山の払い下げを受け、非鉄金属の鉱山・製錬会社として事業をスタートしました。
1970年代後半から環境・リサイクル事業を開始し、99年からは5つのコア事業の1つとして環境・リサイクル事業に取り組みはじめ、2006年のホールディングス制移行に伴い、分社化してDOWAエコシステムが設立されました。
企業理念は「資源循環を通じて持続可能な社会の構築を目指します。」とあり、DOWAグループのコアビジネスが連鎖することによって資源を無駄なく循環させる社会の実現を目指しています。
DOWAホールディングスの環境・リサイクル事業を行う事業会社がDOWAエコシステムになります。

DOWAエコシステム HP参照

DOWAエコシステム単体の売上で、541億円と静脈産業でも大手の位置付けです。(DOWAホールディングス5,800億円)
DOWAのブランド力もあり、多くの静脈企業の二次処理先や最終処理先となっています。貴金属リサイクラーとしても存在感があります。

官報決算データベース参照

事業概要

DOWAエコシステムは主に5つの事業から成り立っています。
①資源リサイクル事業
金属製錬事業で、金・銀などの22種類の元素をリサイクルしています。
主に、PCから取り出させるような廃基板、CPU、ディスクから金銀滓を回収・リサイクルしています。
他に、廃自動車から排出されるASR(自動車シュレッダーダスト)から有価金属を回収する事業も行っています。
②廃棄物処理事業
全国に7つの廃棄物処理施設を保有しています。
焼却・溶融・中和・混煉などの中間処理に加え、最終処分場まで保有しています。
産廃のほぼ全ての品目の許可を保有していますが、とりわけ特別管理産業廃棄物に対しても幅広い品目を処理ができることが彼らの強みと言えます。

DOWAエコシステム HP参照

③土壌浄化事業
土壌・地下水汚染に関する調査から、浄化処理・モニタリングまで一貫して行っています。
④環境コンサルティング事業
地球温暖化対策やM&Aなど環境分野に関わるコンサルティング事業を展開しています。
⑤海外環境事業
アメリカ、中国、タイ、インドネシア、ミャンマー、シンガポールなどを中心に約80カ国で事業実績があります。
日本で培った高度な廃棄物処理技術を生かし、焼却・最終処理施設の建設・運営を行っています。

DOWAエコシステムの今後の展開

DOWAホールディングス中期計画2020参照

DOWAホールディングス中期計画2020を見ると、日本では低濃度PCB事業や食品リサイクル事業の推進を掲げています。
日本の成熟した市場より、発展途上のアジアを中心として廃棄物処理・リサイクル事業を伸ばしていく意向が伺えます。

この事業計画は2017年に作成されているためか、ここ1〜2年のカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーへの感度があまり高く反映されていません。
国内の脱炭素・サーキュラーエコノミーの声が高まっている中で、焼却を中心としたビジネスを展開しているDOWAグループが次の中期計画でどのような方針を出すのか注目しています。

DOWAエコシステム HP
DOWAホールディングス中期計画2020

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