見出し画像

静脈産業出身者が解説する「アサヒホールディングス」

皆様こんにちは!
今、もっともDXとサーキュラーエコノミーに熱い男、健一です!
私は産業廃棄物やリサイクルを中心とした事業会社出身で、この産業にDXをもたらすべく、廃棄物業界向けの配車システム「JOMYAKU」を手がける会社にジョインしました。
今回は、業界出身者が解説する「静脈産業 企業紹介シリーズ」と題して、アサヒホールディングスについてご紹介していきます。

アサヒホールディングスはどんな会社?

アサヒホールディングスは1952年大阪市城東区に朝日化学研究所として創業、写真定着液から銀を回収するリサイクル事業を開始しました。
「この手で守る自然と資源」をパーパスとして掲げ、循環による環境保全を事業として行っている会社になります。
主な事業としては、
①貴金属リサイクル事業
②環境保全事業
の2つがあり、それぞれの特徴をご紹介します。

①貴金属事業

*22年3月期 有価証券より

②環境保全事業

*22年3月期 有価証券より

金、銀、パラジウムなどの希少金属をリサイクル・販売する貴金属事業をメインで行う一方で、環境保全事業では、産業廃棄物の収集運搬・中間処理を行なっております。
日本では、アサヒプリテック株式会社が事業会社として運営を行なっております。
貴金属事業では、デンタル分野、宝石分野、Eスクラップ分野(廃電子基板)などから回収した貴金属を検品・前処理などの工程を行い、製品化まで手がけています。
環境保全事業では、全国でも数少ない47都道府県全ての都道府県に産業廃棄物の収集運搬許可を持つ会社でもあります。
中間処理事業は、10道県6政令市・中核市に許可を保有し、「試薬」「工場廃液」「廃油」などの液ものを中心に処理・リサイクルを行なっております。

第9次中期経営計画においては下記のような目標を掲げられております。

第9次中期経営計画
第9次中期経営計画

セグメント別の売上を見ると分かる通り、売上や利益の多くは貴金属事業が占めていることがわかります。環境保全事業単体の売上は200億円程度になり、業界でいうとトップ10の真ん中くらいに入る位置づけです。

今後のアサヒホールディングスの展開

代表取締役社長の東浦氏のメッセージは下記のとおりです。

貴金属事業においては、先端的な設備や技術を備えた貴金属リサイクルの新工場を茨城県坂東市に開設し、コスト競争力を強化しつつ、持続性の高い事業基盤を確立しました。北米では、精錬事業を土台として、金融事業や製品事業を拡張しており、「世界的な成長の基礎固め」を着実に進めています。環境保全事業においては、顧客ニーズを起点としたコンサルティング営業を拡大し、適正処理やCO2削減などの観点から最適なソリューションを提供しています。また、廃棄物の排出から処分に至る管理過程をデジタル化することにより、産業全体の環境負荷を低減し、社会の低炭素化につなげる事業を立ち上げています。

近年は貴金属相場も非常に高く、高い売上や収益を収められています。「世界的な成長の基礎固め」とある通り、設備投資を進めて事業を横展開していくようです。
また環境保全事業においては、自社処理だけでなく協力業者を利用した販路拡大を進めていくとともに、CO2排出量の可視化やデジタル化といった側面での事業拡大が考えられます。
今後どのように成長していくのか注目の企業だと言えます。

アサヒホールディングス HP
アサヒホールディングス 有価証券報告書
アサヒホールディングス 中期経営計画

デジタル配車サービス「まにまに」