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予備校にはセンター試験をベースにした私大模試を作ってほしいという提案

私立大学の入試が真っ盛りの現在、教室長時代に反芻していたモヤモヤを思い出しました。

「私大のための模試があったらなぁ…」と。

まずは、センター試験と共通テストとの違いについて語っていきます。

センター試験と共通テストとの隔絶

2020年度まで実施されていたセンター試験は知識と読解のバランスが取れたスタンダードな良問が多く、問題形式も私立の一般入試に通じるものがありました。

そのため、国公立志望の受験生がセンター試験の対策をすることで、同時に私立の一般対策にも繋がっていました。

個人的にセンター試験の英語(筆記)においては、70%日東駒専、80%MARCH、90%早慶のようなラインを作り目安にしていた記憶です。

しかしながら、独立行政法人大学入試センターは情報処理能力を優先した結果、英語を例に挙げると、発音・アクセント、文法問題、会話問題が消えました。

現在はただひたすらに80分間大量の長文をスキャニング&スキミングするだけの無機質なテストになった上、分量も毎年増加という嬉しくない傾向のオマケ付きです。

数学もまた冗長な説明文を読み解く“国語”と化してしまい、純粋な数学的基礎力を問うことは無くなりました。

たかが共通の1次試験にあれこれ求めすぎたがゆえに、教養が失われ、センター試験と比べると本当につまらない試験になってしまいました。

ここで不平不満を吐いても仕方ありませんが、一刻も早くセンター試験の形式に戻してもらいたいのが切なる望みです。

さて、希望論はここまでとし、本題に移ります。

なぜ“私大模試”が必要なのか?

共通テスト模試が大手予備校で実施されているわけですが、はっきり言って私立志望の生徒からは疎まれています。

実際に私が指導していた私立志望の生徒は自ら進んで共通テスト模試の受験を固辞していたくらいです。

つまり、首都圏・関西圏の受験生に見られる共通テスト離れが示すように、MARCH・関関同立志望であれば共通テストはほとんど不要の産物なわけです。

この潮流はもう止まることはないと思われます。
今後、共通テスト離れが加速すると何が起きるのかは明白で、共通テスト模試を受験する生徒が減ることが簡単に予想されます。

大学受験予備校の肩入れをするわけでありませんが、模試で稼げないのはビジネス的にかなり痛いはずです。
では、具体的な模試の作成案を考えてみます。

作成方法と作成者の勘案

センター試験の問題形式を踏襲し、問題内容はオールマークセンス方式の日東駒専〜MARCHレベルに仕立てるだけでOKです。

受験ボリューム層の私立文系に特化し、英語、国語(現古)、世界史、日本史、政治経済を制作。プロトタイプ以降は、国語の漢文、文系数学、地理も制作する形で間に合いそうな気がします。

現状、私大志望には東進が年5回実施している全国有名国公私大模試をお勧めしていますが、国公立2次試験も想定しているため記述が多く、私立型の完全なマークセンス方式の模試は今なお皆無の状況です。

もしも河合塾、駿台、東進の三大予備校が作らないのであれば、私立文系に強く全国展開している武田塾が適任にも感じます。

武田塾も模試を実施していますが、これまた共通テスト型のため、独自に私大模試を作ることができれば武田塾側もかなりの金脈になるはずです。

さいごに

私立文系専門の塾は首都圏・関西圏を中心にかなり増えてきています(EDIT STUDY、FAST-UP逆転塾、マナビズムなど)。
それらの塾でいずれは私大模試が制作されることを願っています。

その一方で、青山学院大学・立教大学のように共通テスト併用型や英語外部試験利用入試を主流にするといった不穏な動きが、MARCH・関関同立以下の大学に伝播しないことをただただ祈るばかりです。

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