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東京人の男の子達

大学生の頃、東京に遊びにいきました。
当時、東京の大学にいた友達の家に遊びに行って、何泊か泊まらせてもらいました。
その頃はまだ、東京への憧れがありました。

せっかくだから東京見物に行こうとなって、同級生の男子3人も一緒に渋谷に繰り出しました。
当時(40年前)は、インターネットもなく、スマホなどももちろんなく、あるのは「ガイドブック」でした。
もちろん私は「ガイドブック」を持っていました。
友達以外は、東京生まれで、東京育ちの人たちばかりで、その「ガイドブック」に興味深々。最初はそれに載っている店のどこを知っている、知らないと盛り上がっていました。
そうこうしていると今度は、“お上りさんごっこ”を始めました。

「ガイドブック」片手に捧げ上げ、大きな声で
「おー❗️、これが有名な“ハチ公像”だー!」
などと、周りの人は呆気に取られている様子でしたけど、本人達はとても喜んでいました。
一緒にいる私の方が、恥ずかしくて離れて歩いていました。

何処に行ったかというと、渋谷の「壁の穴」❗️
お上りさんルートですよね。
確か「たらこスパゲッティ」を食べたと思います。
「壁の穴」は、日本で初めて和風パスタを出したお店です。
パスタなのに、たらこと海苔が乗っていて、当時は、とても斬新でした。

たらこスパゲッティ


その後、渋谷をブラブラとして、「バンズ」に行ったり「パルコ」を見たり、(大分にも昔、「パルコ」ありました)スペイン坂を通ったりと、お上りさんツアーを満喫しました。

渋谷 スペイン坂

最後に、電車に乗り込み、お台場へ行きました。
1人が、海を見たいと言い出したからです。
お台場の海岸に着くと、彼らは
「いや〜!潮の香りがするな〜!良いねー!」と、喜んで走り回っていました。

お台場

1980年代、はっきり言って、まだ、東京の海は“ヘドロ”の匂いがきつくて、潮の香りはしませんでした💦

その時、東京の人はこれが海だと思っているのか、可哀想に!と
お上りさんの方が自然を知っている分、都会の子よりは裕福なのかしらと思ってしまい、都会への憧れはあまり感じなくなった瞬間でした。
案内してくれた男の子達には感謝して、帰路に着きました。 
結果、東京には出ず、九州で就職しました。

それから40年以上経ちます。
彼らはどんなおじさんになったのでしょう。
ちゃんと、潮の香りを嗅いで、海を知ったと良いなと思ってしまいました。

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