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銀河のどこかできっと会える「OPUS 魂の架け橋」

OPUS地球計画に続き、プレイしました。
地球計画が面白かったので、期待して購入。
期待に違わぬ良い作品でした。

ちなみに続編ではなく単独の作品なので、地球計画をプレイしていなくても問題なく遊べます。

終末後の世界で奮闘する2人の物語。探索型アドベンチャーゲームです。
クリアまでは約4時間でした。
もしこれからプレイする人がいたら一言。霊魂石は序盤から意識してしらみ潰しに探そう!マジで!


「OPUS 魂の架け橋」について

銀河信仰に支えられた時代、人類は星の高さに憧れ、
宇宙の果てに有る故郷へと、霊魂を搭載したロケットを打ち上げた。

「OPUS 魂の架け橋」は大災害後の物語。

孤独に置かれた少年と少女は終末後の世界で先人たちに代わり「宇宙葬」を行う。
死やすべての絶望を飲み込み、終わりの日に亡くなった霊魂達に安息を与える為に、彼らは決心した。
力不足かもしれないが、霊魂(みんな)の声に応え「宇宙葬」を完遂させる事を。

まず初めに、公式サイトのストーリーを読んでおくと、すんなり物語に入れるかもしれません。

疫病により人類がほぼ滅んだあとの終末世界が舞台です。科学技術がかなり発達した、遠い未来のお話。
その時代、亡くなった人たちの霊魂をロケットに乗せて弔う「宇宙葬」を行っていました。だからみんな、この世を去っても銀河のどこかでまた会える、と思っていた。
疫病により人類が滅び、街がゴーストタウンになっても、宇宙に行くことを望む霊魂たちがそこら中に漂っています。

そんな世界での唯一の生き残りが2人。
宇宙葬を行う時に祈りを捧げる巫女の役割があり、コールドスリープ状態から目覚めたフェイ。
(疫病時に地球教を糾弾するデモがあったらしく、その時に安全を守るためにコールドスリープさせられたっぽい)
彼女はロケットを作るのが好きです。

地上での唯一の生き残りは、この町に住むヨハン。
彼は巫女しか聞けない霊魂の声がいつからか聞こえるようになり、四六時中聞こえるその声に悩まされています。
(ほぼみんな疫病や災害で亡くなっているのに、ヨハンだけ生き残った理由がイマイチわからん。巫女との繋がりがあったから?)
霊魂に悩まされて、疲れ切ってるしスレちゃってる。

フェイの「巫女として宇宙葬を行い、霊魂たちを送る。そのためにロケットを作る」という目的と、ヨハンの「宇宙葬を行うことで霊魂がいなくなって悩まされなくなるなら」という思いが合致し、2人はロケット作りに奮闘します。

と言っても、ヨハンは渋々協力するという感じ。外で部品集めをするのは骨が折れるし、そんな大変な思いしてまで宇宙葬をする必要があるのか?とも思っています。

果たしてロケットを完成させて、無事に宇宙葬を行うことができるのか?
といったお話です。

終末後の世界ということで雰囲気は暗いですが、巫女としての役割を全うしようとしているフェイが明るく頑張っているので、なんとか暗くなりすぎないなという感じ。

亡くなったら、銀河のどこかできっと大切な人に会える。
天国か地獄かという思想よりも救いのある思想で、割と好きです。

ロケットの部品を探してひたすら歩く

ロケットの部品をヨハンが探しに行き、集まった部品でフェイがロケットを作り上げていきます。

プレイヤーが動かせるのはヨハンで、見下ろした視点で山や荒廃した町を探索します。

探索開始時に今やるべきことを確認するタイミングがあり、この時点で選択したものを探しに行くことになります。
画面左上に、今探しているものが表示されます。
もしもなかなか見つからない場合は、一定の時間が経つと無線機が使えるようになり、目的地までガイドしてくれます。

基本的にはストーリーがメインのゲームなので、このお助け機能はありがたかったです。

探索を続けていると、懐中電灯や冬季登山用装備がないと進めない場所もあり、必要なものを用意すれば先に行けるようになります。
だんだんと行ける範囲が拡大していくのが楽しいですね。

収集が楽しい

ロケットに必要な部品以外にも、町の人が使っていたものや新聞や手紙が見つかります。
それらはこの地で何があったのかを知る手掛かりにもなりますし、中には彷徨う霊魂の願いを叶えるものだったりもします。

だんだん空欄だったところが埋まっていくのは楽しいので、収集癖の人にはハマりそう。
しかし、フルコンプまではまあまあかかりそうです。
特に霊魂石が集まりにくい割に全ての遺物の修理に必要になるので、これがやっかい。
林の中とか建物と建物の間とか、割と細かいところにあったりするので、結構骨が折れますね…。

リアルさを求めなければ感動的

終末後の世界で、荒廃した町を歩けば歩くほど、そこで暮らしていた人たちの面影が見えます。
そこに暮らしていたけど、今はもういない。
生命の儚さと、その瞬間は今だけのかけがえのないものだということも思い知らされました。

フェイやヨハンの、苦悩しながらも一つの目的に向かっていく様子は、やはり救いのない世界でそれを拠り所にしている感じもあり、少し悲しくもありました。

全体的にはとても良い物語だったのですが、気になるところも。

プレイ中何度か「ロケットより大切なことがあるのでは…」と思ってしまいました。
やっぱり人間にとって生きることが1番大切だから、寿命や病や事故で死ぬとしても、それまで生き続けなきゃ、と思うのがまず先なのかなぁと。
食糧確保とか。

それをさておき、ロケットを作ることに全てを注いでいたのは、どこか不自然にも感じます。
食料問題が皆無だったのか?
まあでも、救いのない世界で唯一の救いが、宇宙葬を行うという使命だったのかな。フェイにとってはだけど。

ヨハンに至っては何度もロケット作りをやめたいと言っているし、穏やかに過ごしたいだけとも言っていた。フェイに振り回されていた感は否めないですね…。
でも振り回されてるヨハンと振り回すフェイの関係性はおもしろくもありました。

完全サバイバルなゲームではないので、細かいところは気にしないのがよさそうです。


ちなみに、フェイとヨハンが出会う前、フェイがコールドスリープから目覚めた時の様子を描いた短い前日譚が無料で遊べます。

10分程度と短い作品ですが、フェイが目覚めた時の絶望感をより理解するためには十分なクオリティです。
本編をクリア後にプレイするのをオススメします。
単体だとただの鬱ゲーなので…


きっとこれからも2人は命ある限り宇宙葬を続けるのだろうなと思います。
願わくば、2人が少しでも幸せだなと感じる瞬間があればいいなと思います。

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