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愛情


「星岡を潰すなんて…絶対に認めない。
必ず私が復興してみせる」
そう宣言して弥生は顧客リストとレシピを
受け取り、また出ていった。

「弥生…俺は小樽にいる。気が済んだら帰ってこいよ」
その言葉になんの反応も示さず、出ていった。

葉月の顔を見た瞬間の宣言だった。
それまでは団家に「星岡団」の存続を
懇願していた。

「悪いが帰ってくれんか。アンタたちとは
これ以上、付き合いたくない」
万太郎はそう吐き捨て、さっさと追い出された。

「少し歩かないか?」
「うん」
葉月と上大岡駅まで歩く。
「あ、あの」
「どうした」
「小樽に戻ったら、どうするんですか?」
「同級生が料理屋をやっていてな…
とりあえずそこで世話になる」
「ラーメンは?」
「要望があればだな」
「藍ちゃんと遊びに行ってもいいですか」
「むしろ来てくれよ。閑散期とかは
まとまった休みがとれるんだろ?
旨いぞ海鮮がな…」
「はい❗️」

相変わらずぎこちないが、焦ることはないだろう。問題は弥生の方だな…
好きなようにさせてはやりたいが…

「至高とか究極は自分で言うものじゃない。
食べた人がそう思うかだって言葉…
すごく響きました」

「そうなのか」
「満足していただけたお客さんにもっともっと
って考えれば考えるほど、空回りしてる感覚が
あって、いつもリピートしてくれる方々に申し訳なくて…」

「客は離れたのか?」
「いえ、幸いなことに、また来てくれて」
「なら、問題ない…悩むのは客が離れてからでも間に合うもんだ。お前自身が保たなくなるぞ」
「でも、私が引っ張らないと」
「…藍がいてくれてよかったよ」
相棒がいる。だから大丈夫だろう。
「え」
「三人で旨いモンでも食おう!」

     ▲ ▲ ▲ ▲

「ほぉ、ホンモノのインポを私は初めて見たよ」
ダンイサムに拷問をかけ、ペニスに刺激を
加えているが、まったく反応がない…
「貴様ァレオナ様の口淫に反応しないとは!」
リーオー51号が殴る蹴る。アザまみれだ。
「ヒィヒィ」
しかしいい反応をするオスだ。
まさに「小物」といった逸品だ。

うがい薬で口を消毒して、「小物」に吐き捨てる。
「気に入ったよ、そうだなリーオーセブンの
名を与えよう」
「こんな奴が親衛隊ですか❗️」
「若いインポなんて珍しいオスだ。キミが
そうなった理由、知りたいな」

リーオーセブンは何も発言しなかった。
51号とノインがボコボコにする。

「私だ。監禁場所を用意してくれ…
あと、団万太郎という男にリーオーゼクスを
向かわせろ。それなりの金を積めば、
引き取れるだろう。引きこもりのようだからな」

「ハヅキィ…ハヅキィ」
リーオーセブンが呻く。
インポになるほど執着されるとは…
「まずキミの存在理由から教えてやろう…
いいか?キミはこの私の奴隷だ。
たっぷりと愛情とかいうのを注いでやろう…
そうしたらリーブラにまた会えるかもな…」

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お値段張りますが、満足できる出来栄えです。 単発売りはしておりません。

2021夏、日本はデルタ株の脅威が訪れる。 そのなかで団 勇もまた、感染する… ついに麗菜と昴は 自らの運命と戦う決心をする… 様々な三角…

ホントにありがとうございます😭 さらによい作品を作り還元していきたいと思います♪