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ルフィ名言特別編(Vol.39)「大好き♡」

8年前、アーロン一味がココヤシ村を訪れ、ベルメールも見つかってしまい、元海兵として抵抗するも、全く相手にならない。お金さえば払えば命を助けてはもらえる。大人10万ベリー、子供5万ベリー。ベルメールとナミ、ノジコを合わせて20万ベリー必要だが、ベルメールの蓄えは10万ベリーほどしかなかった。
家の中に3人分の料理が用意してあるのが見つかると、ゲンさんは、

「さァベルメール・・・!!さっさと大人一人分払ってしまいなさいい。今日は夕食に招待されたんだったな・・・!」
「金が足りてよかった・・・これで村人は全員無事だ」

実の親子ではないナミとノジコは、逃げてしまえばバレることなく、ベルメールも助かる。ゲンさん達は、皆が無事でいられるように口裏をあわせる。

しかしナミは泣きながら言う。

「私やだ!!どうして私達が出て行かなきゃいけないの!?もう・・・ベルメールさんの子でいちゃダメなの!?」                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

小さい子供とは言え、決断しなければならない。ドクターは「家族の縁か命か!!こんな時代に甘えは無用じゃ!!!」といい、ノジコは村を出ることを決意する。

そして、アーロンに10万ベリーを払ったベルメールは、

「よかった。これで助けてもらえるのね。」

泣きながら立ち去ろうとするナミとノジコを前に、

「それは私の娘達の分。私の分は足りないわ」

驚くナミとノジコ。

「ゲンさんごめんなさいい・・・私・・・!!家族がいないなんて言えないや。」

そして、今回のベルメールの名セリフその①

「たとえ命を落としても・・・・・・!!」
「口先だけでも親になりたい。あいつら・・・私の子でしょ?」
                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

泣きながら言うベルメールとは裏腹に、アーロンは情けをかけることはない。

泣きながらベルメールに飛びつくノジコとナミ。

「もっといろいろ・・・本でも!!洋服でも1!いっぱい買ってあげたかった・・・!!ごめんね・・・!!私・・・母親らしいこと、何もしてあげられなかったね・・・」
「そんなことない!!!何も要らないから死なないで!!!あたし達とずっと一緒にいて!!!」

アーロンが二人がベルメールの娘かと確認すると、ベルメールは堂々と認める。そして、ナミの「誰か助けてェ」と言う言葉に、あれほど戦ってはならないと諌めていたゲンさんは、銃を撃ちまくるも、魚人には通じず、返り討ちにあってしまう。流石の村人達も武器を取り戦おうとする。

冷酷なアーロンは、

「お前が最初の見せしめだ・・・!!くだらねェ愛に死ね」

と銃を突きつける。そして今回のベルメールの名セリフその②。

「ノジコ!!ナミ!!」
「大好き♡」
                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

そう言い、銃声が鳴り響くのだった。


ほぼストーリーをそのまま紹介する形になってしまいましたが、今回の名セリフは、ベルメールの死を覚悟した愛の思いでした。
実の娘ではない二人を、まさに命を賭けて守りました。ナミとケンカをし、その直後巻き起こった事態ですが、自らの運命を悟り、覚悟を決めて悪あがきをしないベルメールは、本当に格好良く、親の鑑だと思います。血が繋がっているから親子なのではなく、その絆や愛こそが「家族の印」なんだと教えられます。

命が無事なら戦うなと言っていたゲンさんも、助けられるはずのベルメールを助けられないとわかった瞬間、ナミの言葉で銃を取り戦うのです。村人も、覚悟して戦います。「戦わない」とうことは、逃げることでも諦めることでもなく、「戦う」以上に辛いことなのかもしれません。

そして、ワンピースの中でもほとんど描かれることのない死ぬシーンが描かれるのですが、ベルメールはその間際、笑いながら「大好き♡」と言い残します。

残されるナミとノジコは、どんな気持ちでしょうか。貧乏を嫌い、わがままを言ってきたナミでしたが、ベルメールに死んで欲しくないと泣きました。ですが、助かるためにはベルメールの命か、ナミとノジコの命を選ぶしかありませんでした。その極限の中で、ベルメールの姿は、立派と言うしかありません。

世の中に、どれだけベルメールのような立派な親がいるでしょうか。「毒親」が多いと言われる中で、実際にベルメールのような親はいないかもしれませんが、親の中にも、きっとベルメールに通じるような何かがあるはずだと思います。それを一つでも発見して自分を愛していきたいですね。そして少なくとも、ベルメールに感動する自分は、ベルメールのように子供を愛する親になりたいものです。

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