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学校の中で買ったものは何でも使えるのがいいことだ。僕はマスクを着けずに学校へ来た。いつか使える気がしたからだ。
僕は教室に戻ると本を読み始めた。今まで何度も読んできた本だ。僕はすべての言葉を読みつくした。全てを覚えているはずだ。それでも読む。好きだから。僕は何度読んだかも忘れていた。
そのまま読んでいると昼休みが終わった。その時僕は自分の弁当を食べ終わっていないことに気が付いた。「しまった」だが、もう遅かった。
僕は仕方なく昼休みを食べずに過ごすことになった。

次の授業は体育だ。といっても普通の体育ではない。僕たちは1日目から外に連れ出された。校庭ではない。山だ。近くにあった山を上って行けと言われた。結構の人は上ることができた。だが、数人は上がることを苦労していたようだ。ゼイゼイといってヘロヘロになっていた。僕にはわからない。こんな坂など簡単に登れると思ったからだ。数人は気にせず全速力で走っていったので僕もその後をジョギングでついていった。後ろからもう一人僕に追いついてきた。「速い」僕はつぶやいた。彼はずっと後ろにいたはずだ。ここまで一瞬できたのに全く息が荒くなっていない。ほかの人たちとは完全に魔反対だ。
「競争するか?」僕は彼を見た。「どういうこと」彼は簡単かのように説明した。話し方はそうだが表情は完全に真っ白だ。「てっぺんがゴール、それだけだ」僕はその挑戦状を受けた。ジョギングでついていけばいいだろうと思っていたからだ。
だが、走り始めると彼は早かった。僕もだんだんと速くなり、僕たち2人は猛スピードで上り始めた。ついさっきまで先に越していた男子たちも追い抜いた。「は、はえぇ」男子たちは茫然と立ちすくんでしまった。
僕たちは普通の速度で坂を上り切った。しまいには両表同時にてっぺんへとたどり着いた。「僕」「いいや、僕」他の人たちからしたらいったい何の争いごとだ?というほどの無意味な争いを2人は繰り広げていた。静かで地味でもあった。
「ねえ」僕は彼に訊いた。「何者?僕の速度についてくるなんて」彼は僕を見てきた。「君と同じ人種だ」彼は一言を残して地面に座り込んだ。あとはほかの全員を待つだけだ。何分も全員来なかった。「遅い」僕たちは同じ時に思った。

「それではここでゲームをする」先生はにやりと笑った。この先生はインターテインメントの人間らしい。「ここで鬼ごっこをしてもらう」先生は急に駆け出して行った。「鬼はお前たちが決めろ!」少し向こうに行くと止まった。
「鬼はどうやって決める?」1人はじゃんけんといった。いい考えだったが、不得意な人もいるといってその方法は消された。
すると、一人の少年が前に出た。「それなら僕が鬼になるよ」このクラスでリーダー的な人間を務めることができそうな人が言った。10秒待つことになった。僕は別に逃げなくてもいいので4メートル遠くに立つとじっと待った。鬼になる気はないが特に逃げまくる理由がないので突っ立っていた。
「8、9、10、行くよー」彼はもちろん一番近くにいた僕を狙ってきた。僕はとりあえず軽く逃げることにした。ソーシャルディスタンスみたいなものだ。
私は逃げるというよりとりあえずタッチされないほどの速度で走っていた。
「こんなものかな」

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