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「でも、同じになる可能性もあるよ」お兄ちゃんは私を向きました。
私は目を大きくしました。「本当にですか?」
彼は頷きました。どうやら何か考えがあるようでした。
それ以上は彼も話しませんでした。
私はワクワクして待っていました。

ついに運動会の日になりました。
運悪く、お兄ちゃんとは違うチームになってしまい、私はとても悲しんでいました。
ですが、お兄ちゃんにがんばれと言ってもらい、心強かったです。
まずは玉入れというものでした。
球を上にある箱へ入れて競い合うのどこがおもしろいの私にはわかりませんでした。
「いや、それが楽しいんだよ」横で一人の少年は私をジーッと見てきました。
「どうして私の考えていることが分かったのですか?」私は訊きました。
彼はため息をつきました。まるで私が変なことを言ったかのため息でした。
「あのね、自分の口で言ったことを理解できていないって何様?君」
私はただ首をかしげました。「どういう意味ですか?」
彼はもっと深いため息をつきました。何を考えているのかは全く分かりませんでした。
「あのね、さっき口から漏れ出てたってこと」私は口を押えました。
「ムむムムむムムむムムむム」実際には「お兄ちゃんに知られたら困ります」
嫌な予感がしただけです。
「ま、頑張ろうな」彼はそのまま次の協議へと走っていった。
次は大玉転がし、筋肉もりもりの人がたくさん出てきた競技だ。
だが、ほかの人よりもひょろひょろに見える彼はダントツに早く終わらせました。
私はそれを普通のことだと判断しました。
その次には障害物競走です。私は立ち上がり、スタート地点に立ちました。
その横にはお兄ちゃんがいました。「頑張ってね、でも僕も手は抜かないから」
彼のその一言が私の心に火をつけました。「はい!」

「今日になってしまったかー」僕はドキドキしながら表を見た。
ここには6チーム書かれている。その中に僕とホノカの名前が同じ欄に書かれていればいい。
だが、運悪く違うチームに入っていた。「あっちゃー、まあ仕方ないか」
僕はこういうのに対して立ち直りがとても早いのだった。
僕は初めは眺めていた。全員楽しそうに応援していたが、ホノカを探していた。
見つかったときには一人の少女と話していた。髪も短く短パンをはいていた。
彼女はどうやら大玉転がしをしたようだ。軽々と1位を取った、悪魔のような存在だ。
その次には僕の出る障害物競走だった。僕が出ると同じ時にホノカが出てきた。
僕もほのかも励ますつもりで口を開いた。「頑張ってね、でも僕は手を抜かないから」
すると、彼女に火がともった気がした。気のせいだといいのだが…
僕は走り出した。ホノカは後ろに見えたが、一瞬見た後は前を向いたまま進んだ。
まずは球をスプーンの上に置いて走った。落としそうになったが無事反対側まで来た。
このままなら勝てると思ったが、アナウンサーが口を開いた。「おっとー、一人の少女が急速に速度を増したぞ!これはどうなるのだろうか!」
僕の横をある人が通っていった。「え」僕は一瞬固まった気がした。だが、すぐに誰なのかは分かった。
ホノカだ。

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