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「あ」私たちは完全にそのことを忘れていた。いったいどこを見れば紐があるのかもわからない。「それを使えばいいんじゃないの?」蓮太君は私の下を指さした。手の方向をそっていくとそこにはスカートがあった。「エッチ!変態!馬鹿!」僕は精神的攻撃を仕掛けたが全く効果がなかったようだ。「まあ確かに1本の紐から作られているけどさ、それはちょっとやばいと思うんだ。使ったとしたら、」優真君の文に私は突っ込みを入れたが彼は続けた。「彼女はどうするんだ?」彼は私を指さしてきた。「確かにそうだな」「確かにそうね」他の2人は完全に納得していた。「ちょっと!まず私のスカートを使うっていう案がおかしいんですけど!」すると、3人は私を見てきた。「え?」「いや、スカートの話じゃないんだけどね」私は目をぱちくりとした。「上の話だよ」今度は私の服を使おうといっていた。「私のシャツを使うのもダメ!」また3人は私を見てきた。「いや、それじゃないって」

『カット!』なにもおかしくないと思ったところで止められた。「どうしたの?」私はマネージャーを見た。『いや、普通にあきれた』私はムッとした。「それならマネージャーならわかるの?」マネージャーは頷いた。『勿論、あの帽子だろ?』3人は頷いた。「そうだったの!?」私は全く分からなかった。自分の帽子を話していたなんて。「どうしてわかったの?」咲良さんが聞いた。『簡単なことだろう、奈津美がわからなかったことがおかしいほどだ。』私はムッとしたが、口には出さなかった。『スカートもシャツもこの学校では1本の糸から作られていない。作られているはずない。残りで考えられるのは帽子だけだ。靴が紐で作られているわけないからな。紐はあるが。』マネージャーは私を見てきた。『もう少し頭を使えばどうだ?』私はしょんぼりと頷いた。今回だけは負けだ。『お前がおとなしいのって初めてだな』プッとマネージャーは噴出した。私はマネージャーを殺したいと思った。殺すことはできないが。『やり直し!』

「それで、使うか?」私は仕方なく帽子を脱ぎ、1本の紐にしようとしたときに蓮太君がバッグの中から紐のぐるぐる巻きになった球を取り出した。「こんなものがあった」私の手は固まった。「それがあるなら早く言ってよ!」
紐で棒を括り付けると一つのロッカーに向かって歩いて行った。まだ朝早かったので誰もいない。先生は全員職員室に引きこもりだ。普通は7時まで出てこない。今は6時半だ。充分時間はある。
だが、問題が出てきた。ロッカーを動かせないのだ。びくともしない。「いったいどうすればいいのだろうか…」考えていると、その答えが出てきた。「それはろかーが地面と壁にくっついているからだ」私たちは誰かも見ずにお礼を言った。だが、後ろを見るといわなかったほうがよかったと思った。「今すぐ職員室に来い!」私たちは先生によって職員室に連れていかれた。
マネージャーが助けてくれるかもしれないと思ったが、それは大きな間違いだった。マネージャーは見物しながらけらけらと笑っていた。「このー、絶対ただじゃ済まん!」ワーワーマネージャーに向かって叫びながら私は職員室に引きずり込まれて行ったとさ。

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