MH二次ノベル感想 地獄拠点デステラ

轟く号砲、文体は豪放、読了後の気分は揚々。
ヘビィ・ニンジャ=サンが撃ち放った弾丸を賞味あれ。

スパイシーで胡乱な、大変刺激的な文体

ヘビィ・ニンジャ=サンといえば独特な語り口が特徴のヘビィガンナーだ。
特に彼が書いた記事や前作などを読めばわかるだろうが、非常に特徴的で印象的な文体だ。それがノベルと化した時、大きな武器となり読者のニューロンに強烈に焼き付く。
今回!前回よりもさらに一体いつの間にどこで磨いたのかはたまた爪を…バレルを?隠し持っていたのか磨きがかかり、ヘビィ・ニンジャ=サンオリジナルの文体になっていると言って良いだろう。より魅力的になった!
巧みな文章力と豊富な語彙から放たれる文の数々は数万文字というボリュームを感じさせないものとなっている。素晴らしい。

一見適当に付けられている名前もちゃんと何かの語呂合わせになっていたりする場合もある。そしてその特徴的な名前故に覚えやすい。良いことだ。
そして唸るのは彼らの見た目の表現が自然と、描かれていること。未読の方は楽しみに、既読の方はゴコクに呼ばれたシーンとタンジアでのシーンをもう一度読み比べてみてほしい。

さらに強烈にオススメしたいのはヘビィボウガンの描写!
見た目や威容は随所に散りばめられ、ヘビィボウガン愛にかけては指折りのヘビィ・ニンジャ=サンならではの考察と設定が存分に発揮された戦闘シーンは鱗を削り、身を爆ぜさせ、命を奪っていく様がまざまざと描かれる。
時に銃剣バレルを活かした近接攻撃を、時にシールドの頼もしさとハンターの脆さを、時に強大な古龍の力とそれをいなす機転を、へビィガンナーならではの視点からのそれらは一風変わった景色に見えるだろう。

個人的に一番面白いなと思ったのは「アステラ」にかけた「デステラ」。「渡りの凍て地」にかけた「怒りの果て地」だろうか。というか「新海域古龍追撃団」も「新大陸古龍調査団」にかけてるしこれはもしかして……ヘビィ・ニンジャ=サンなりのモンハンワールドリメイクだったりするのだろうか?
ちなみに上記3つだと特に「怒りの果て地」が好きである。「WAtari no  Iteti」と「Ikari no HAteti」だ。わかる?母音がね!!入れ替わってんの!!他のとこは変えずに!!すっげ~~……良いよね…
言葉遊びの面で言うとウツシ教官の訓練名も百鬼夜行や三寒四温をもじっているのが良い。爆弾荒行だけちょっとわかんなかったけど。

練り上げられた独自のモンハン世界観

とにかく分厚いステーキのごとく豪快な作品だが、隠し味のようにひっそりと垣間見えるヘビィ・ニンジャ=サンのモンハン世界解釈が個人的にとても好みだった。
ともかくゲームの要素と、多くのモンハンの要素(トレジャーなど)を盛り込むのが上手い。ゲーム的な要素はそのまま利用し、他の描写に力を入れているのも割り切り方が大変好みだ。
今回はライズ~サンブレイク時空の話だが、カウンターショットの解釈は見事な物であったし、翔蟲の設定などの解釈も興味深く膝を叩いたものであった。
他にも片手剣を両手に持つ、盾を両手に持つなど独自解釈のハンターも自然と登場したり、ワールド系列の話をしっかりと盛り込んでいたりと……彼が長年モンハンを楽しみ、彼の中で独自の世界観が醸成されているのがよーくわかる。世界観がしっかりしている二次創作はその解釈を事細かに聴きたくなるね!!

魅力的なキャラクターたち

胡乱なネーミングでどこか変な、だが愛嬌があり生きるのに必死なキャラクターが作中の大きな魅力であるのは間違いない。ヘビィチャンと前後したい。騙されたい。
メインの四人だけでなく、今回のゲストキャラもそれぞれ色濃く作品を彩ってくれている。
ちなみに俺の今回のお気に入りはバイキー。なぜかというと、ブラッシュデイムを使っているからだ。知ってる?ブラッシュデイム。俺がFをちょろっとやってた頃の愛剣だ。良いよね…微量の龍属性も古龍相手に頼りになる。
ゲスト参加メンバーは地味にXX組なのか狩技を使っているのも良いよね!

終わりに

いつから書き溜めていたのか知らないが、とても良い作品を読ませてもらった。今後の活躍に更に、大いに期待したい!!
あと狩猟笛出してくれてありがとう!!

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