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【教育格差解消事例】“都立高校×塾・予備校”という新しい受験指導のカタチ



都立高校で始まっている「校内予備校」

2023年度より、一部の都立高校で、民間の塾や予備校講師を招いて授業や受験指導を行う「校内予備校」事業が始まっています。東京都は事業費約1億円を予算案に計上。経済的な理由で塾や予備校に通えず、進路や希望の進学先をあきらめる生徒を減らして進学実績を上げるほか(教育格差解消・学力向上)、受験指導を講師が担うことで教員の負担軽減にもなると期待されています。

事業の対象は、都教委が「進学指導推進校※」に指定する下記の15校です。
※「進学指導重点校(7校)」「進学指導特別推進校(7校)」に次ぐ大学合格実績をあげる学校から、地域バランスなどを考慮して指定されている。

三田、豊多摩、竹早、北園、墨田川、城東、武蔵野北、小金井北、
江北、江戸川、日野台、調布北、多摩科学技術、上野、昭和

進学指導推進校

充実した受験指導が無料で受講可能

授業は各校とも、希望者を対象に、放課後や土曜、長期休暇中に空き教室を使って行います。各校で年24回を予定し、受講料は東京都教育委員会(都教委)が負担するため無料です。母体を「城南予備校」にもつ当社にとって、プロ講師による授業や受験指導は専門分野。現在、複数の都立高校で、英語指導や推薦対策指導、進路指導など、さまざまな指導を行っています。

今まで、どちらかというと学校と予備校は相いれない関係でした。今も、「教員が予備校講師を頼るのか」「土曜出勤など、逆に教師の負担が増える」というネガティブな声も散見しています。実情はどうなっているのか、事例を見ていきましょう。

都立松原高校の事例

2019年に進学アシスト校※に指定された松原高校では、3年間講座が設けられました。当社は22年度より授業を受託しており、事業終了後も独自に契約を結び、引き続き「校内予備校」を設置しています。
※進学実績の向上を図るため、都教委が外部人材を活用して受験指導を行うために指定した都立高校

松原高校での当社講師による授業風景

松原高校では、1年生の約1/3が校内予備校を受講。単なる授業だけではなく、「泊まらない勉強合宿」「思考力・判断力・表現力講座」「学校推薦型・総合型選抜対策講座」など、当社のエッセンスが詰まった指導も実施しています。これら充実した指導を、塾や予備校に通うよりはるかに安価で受けられる「校内予備校」は、生徒や保護者に好評をいただいています。教員の土曜勤務等に関しては、日常の業務に組み込み、勤務分は休暇を取れるようにしているそうです。教員からの理解も得られているからこそ、継続につながっているのではないでしょうか。

都教委担当者からのお礼の言葉

また、9月に城東高校にて第1回目の授業「学校推薦型・総合型選抜対策講座」を行った際、都教委ご担当者さまより大変うれしいお礼の言葉をいただいたので、この場を借りて一部紹介させていただきます。

 本日は、城東高校の見学をさせていただきまして、ありがとうございました。
 講師の方の授業がとても面白く、時間を忘れて夢中になっておりました。
 話し方、話すスピード、生徒の反応を見ながら、対話しながら授業を進めてくださり、また、初めて小論文を書く時のポイント、日常的に気を付けておいた方が良いこと、合格ポイント等、わかりやすく、大事なところは2回話してくださる等、非常に良い授業を見させていただきました。
 生徒も飽きることなく非常に熱心に聞いていた印象があります。
 この事業を始めて、よかったと心から思いました。
 パソコンを利用してオンデマンドに対応していただく等、本当にありがとうございます。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

東京都教育庁 学校経営指導総括ご担当者さまより

都立高校×民間企業が教育格差解消の一助となる

担任業務や授業、部活、行事などで忙しい教員の方々は、受験指導まで手が回らない実情があります。塾や予備校が持つ豊富な受験ノウハウを提供することで、「学力向上」「教員の負担軽減」を実現し、そして「教育格差解消」にもつながる「学校内予備校」。こうして高校と私たち民間企業が手を組むことで、経済格差による教育格差の解消の一助となることを願ってやみません。