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音鳴らす日々のカケラたち。 〜広島・岡山・名古屋編〜

11月8日

気温、ようやく平年並みに戻った印象。
一日安定した晴天。秋を感じさせる風が心地よい。

2週続けて西への旅となった週末。唐突にLET’S 振り返り。

10/27 岡山城下公会堂  w/ TOMOVSKY
「トモフとジョーのデスマッチ、城下で」

”デスマッチ”をイメージした猫 by ナガイケジョー

新幹線で岡山へ向かう。
想定以上の混雑のなか、無事誰もいない三列シート窓側を確保
岡山まで隣りの席は空いたままの快適さをキープ、ほっ。
新神戸を過ぎた辺りで突然の雷雨&稲光。
どうなることかと思ったが、岡山着いたら雨も小康状態。

雷雨後の岡山駅前。桃太郎像も湿り気を帯び。

そのまま城下公会堂に入る。
トモさんとセッションRHを少々〜デスマッチ先行は私。

ベース弾き、独演。始めましての方も多い会場、高まる。
ラスト「我に返る〜」では途中から本人登場もあり、さらに高まる。

そしてトモさんLIVE後のアンコールで共演3曲。
繊細さと奔放さの絶妙なバランスでの共存、これって奇跡?
しっかり汗かき、白熱のデスマッチ。
トモさん&会場の皆さん、そして城下公会堂、サンクスでした。

【10/27 SETLIST】
デスマッチFUNK / 祝福のメロディー / 酔いの宵 / CATだから〜猫の歌
真夏 / ねつっぽい / ともしび
ゴロワーズを吸ったことがあるかい
我に返るスキマを埋めろ(ご本人登場special)

★アンコールSESSION  w/ TOMOVSKY
脳 / SKIP / ほめてよ

デスマッチ後の固い握手。トモさん、ありがとうございました。

10/28  hoshioto camp

ここ数年で最も頻繁に訪れている会場と言っても過言ではない
岡山県井原市の葡萄浪漫館へ。11時頃着。

秋の空。青みが深い。

リンダ&マーヤ with タカノタイチ、スタンバイ中。

気持ちの良い青空の下、
持ち前のイノセント過ぎるピュアネス&ハピネスが燦々とhoshiotoを照らす
アマテラスアマテラス(←それはGRAPEVINE)
とそれはさておき
爽やかなロックンロールの風が吹いていた。
アコースティックの概念を乗っけから覆してくるパフォーマンス、さすが。

さて、こちらはhoshioto campということでアコースティックセット。
大地に染み込むアップライトベースの低音、これこそ醍醐味。
まったりどっぷりゆったりと、
アウトドアw/ミュージックの贅沢を楽しんだ50分。

豚串。食べ応えあり。

終演後、フェス飯を少々いただいたり
昨日ご一緒したトモさんや、ホフディランのお二方とも立ち話したり
ならではの時間を味わう。そしてバイバイhoshioto、また来年(なのかしら?)

w/ タカノタイチ君 「いつでもスマイルしててね」(←ホフディラン)

この日は京都まで走る。

賑わう夜の京都CITYを横目に、スーパーで晩酌食材を物色&買い込み
部屋でのんびりいただく。
TVをつけると日本シリーズ第一戦がやっており、噂に聞いていた関西対決
なんとなく眺めながらまずは阪神が派手に初陣を飾ったのを見届け、
ちょっとぼんやりしてきた頭のまま24時前には寝る。

10/29

京都から名古屋へ。
前回は5月、須長君との「ベースなふたり」で来て以来のsunset BLUE。

昨日に引き続き、アコースティックセット。
ユッサユッサと大きく会場の空気を揺らすと
これは摩擦熱のようなものなのか、徐々に会場の熱気も高まる。
力はいらない、気負いもいらない、いい流れで高まった空気感を味わった夕べ。

アップライトベースもまた良き photo by HAL

リハ後にチラと覗いた古本屋「henn books」(会場のすぐ前にあった)で
『草野心平詩集』入沢康夫 編
『日本の名随筆14 「夢」』埴谷雄高 編
を購入。
お店は基本電子マネー推奨っぽかったが持ち合わせがなく現金でお願いする。
「普段は無人で営業していることも多いので」とのこと。現代的。いやいや、
お会計でモタモタする→蛙化現象 とな。
恐ろしい時代になったもの。

ライブ終演後、イベンターさんから差し入れでいただいていた
あんかけスパゲッティにがっつく。初めて食べた。
がっつかないと負けそうになるボリューム&インパクト。
完食して満腹のお腹のまま東京まで車を走らせ、24時過ぎに帰宅する。

「ゆうぜん」のあんかけスパ。途中から覚醒してゾーンに入った感覚になる。

10/30

秋晴れの空が広い。のんびり家で過ごす。猫のように日に当たる。
早めに寝る。

10/31

午前中、個人練。
足元のLOOPERからビートを出す曲を増やす試み。
曲の安定感や、いわゆるベース&ドラムの絡み的な要素に高まるケースもありつつ
だからどうした?みたいな気持ちになるケースもあり、その加減が難し&楽しい。

11/1

バンドリハ。ツアーに向けて、最終調整。
まずは岡山&広島、どんなツアーになるものか。

11/2

再び岡山へ向けてバンドワゴンは西走。
朝、都内の集合場所へ向かうルートを変えてみたら
乗り換えで一駅乗り過ごしてしまい、まんまと遅刻する。
そこそこの混雑にも揉まれ、いきなりドッと疲労感。

もはや自分史上最多メシ候補の静岡SAごぼう天うどん。確実に値上がりしているのも切実。

とはいえ、バンドワゴンは渋滞ありつつも順調に走行し
19時頃には岡山着。すっかり見慣れた街です、ただいま。

その足で広島独演会用のポストカードを作りに印刷屋に行くも
いつもと勝手が違いサイズ調整がうまくいかず、明日に出直す。

旅先でやることではない。

近所のスーパーで買い込み、今度は日本シリーズ第5戦の様子を眺めながら
部屋にて晩酌。この日も阪神が終盤に逆転勝ちをおさめる見事な展開。

その後、広島での独演会に備え、
PCにて『仁義なき戦い 広島死闘編』を流しながら、
怒号と銃声が轟く喧騒のなか、滑らかに入眠を果たす。

11/3

岡山での朝。
昨日の印刷屋さんへ開店後10分過ぎくらいに入店すると
一台しかないセルフコピー機には高校生の男子4人組が既に陣取っており、
彼らの作業が終わるのを隅のカウンター席からじっと見守ることに。

どうやら文化祭で使うチケットの類を何種類かの厚紙にコピーしたいらしいのだが
ボタンを押すごとにピピピ、ピピピ、と機械に拒まれてしまうようで、
その都度給紙の仕方を変えてみたり、違うボタンを押してみたり、挙句ただぼんやり眺めていたりでどうにも要領を得ない。
このままじゃ永遠に終わらないのではないかしら?
と段々とこちらの不安感も高まりつつあることにもまるで無頓着な四人組は、
互いに相談し合うでもなく、皆が皆、一向に言うことを聞こうとしない機械を前に
なんら打開策を講じようとしないでいる自身の現状にも特に疑問を抱いていないようなぼんやりとした佇まいで、そんな姿にさすがの私も静観の態度を改め、
「あのー、、、店員さんにやり方を聞いた方がいいと思いますよ」
と一声かけてみると「はあ…」とぼんやりと返事をした代表者っぽい男子は
しかし受付の奥で作業をしているスタッフさんたちにどう声をかけたものか
となおもモジモジしている様子だったので、こちらでスタッフさんに呼びかけ
ご指南を仰ぐと、ハイハイ、と忙しそうに出てきたスタッフさんはすぐに万事解決させてみせるのかと思いきや、なおもピピピピピピと機械に反抗の継続を許すところとなっていて、いよいよこれは終着点が見えなくなってきたぞ、とこちらも危ぶみ始めたところであったが、しばらくの苦闘の末にようやく機械側も仕事の内容を理解したと見えて勢いよく稼働を開始すると、男子たちは皆若さと活力を取り戻した様子で、嬉々と無事作業を終え一安心のご様子。
そしてお会計を済ませるとこちらへ恥ずかしそうに軽めの会釈をして去っていった。
その姿を、極力大人の余裕を漂わせた微笑で見送ってから、さて私はと言えば先ほどのスタッフさんに「で、まずどこを押すんでしたっけ?」と一から機械の扱い方をご教示いただいた次第であります。聞くは一時の恥。よって作業はすぐに終了した。

気を取り直して、岡山城の方へ歩く。
城下公会堂の前を通り、旭川から後楽園、そして岡山城が広がるエリアに来ると
スッと心が洗われる気持ちになる。
三連休初日でイベントが開催されているようで周囲は多数の観光客で賑わっている。

一日中座ってぼんやり川を眺めて過ごしたい、ビール片手に。

ここまで長く書き過ぎているので細かなところは省略しつつ、
天守閣下の広場で開催されていた、隊列を組んでの火縄銃の実演は
なかなかな大迫力、ゆえに若干の恐怖感を味合わせるのに十分な銃声を延々と轟かせていた。

菊花展もまた見応えあり。

さて。
TOUR「Funk-a-lismo! vol.14〜Singin’ Loud〜」
初日、岡山公演。
毎度のCRAZYMAMA 2nd ROOM。

「Singin’ Loud」のタイトル通り=大きな声で歌ってください
実際に声を出す出さないは別にして、気持ちの上では大きな声で。
みなさん楽しんでいる空気が伝わってきて最高の初日を終える。

ライブ中のMCの影響か、終演後、焼鳥をアテに一杯(数杯)。

11/4

岡山→広島へ、約2時間の旅。

そのまま向かうとホテルチェックインの時間より大分早くついてしまうので
広島を目前にして「温泉行かね?」というマツキ氏の案に誰一人異論なく、
広島東インター降りた先の小高い丘の上に佇む「ふかわの湯」にて立ち寄り湯。

小一時間ほどFUNKY4各自思い思いの湯&サウナを堪能し
コーヒー牛乳で〆る。いい湯でありました。

湯上がり満面の笑みの筆者。シャツが裏表逆になっていることに気がついていない、かなしみ。

ホテルチェックイン後、機材をまとめてひとり路面電車で本川町へ。

駅から大通り沿いをそのまま歩いた先にあるヲルガン座、ここでしたか。
ナガイケジョー独演会、初の広島開催。

知らなきゃ入るのに勇気がいるであろう扉。

荷物を抱えて3階のふらんす座へ。
思っていた以上にコンパクトでかわいらしい作り。いい感じ。

私の部屋へようこそ、と言いたくなる居心地の良さ。

先にスタンバイしてくれていた音響のYさんと、
何度もメールでやり取りしていた店主のゴトウイズミさんとご挨拶。

小型のベースアンプが2台あると言うのでどちらを選ぶか、
ふらんす座から2階のヲルガン座へ階段を降り、ヲルガン座のステージ裏から
階段を上がった先(しかしふらんす座の裏ではないっぽい)にあるキャットウォーク的な通路(左手は一階からの吹き抜けになっている)をちょっと進んだとこから(さらにもう一段上がったんだっけかな?)一体この建物はどうなってるんだ、の先にあった機材部屋から、こっちの方が大きいけど、ふらんす座の規模ならそっちの小さい方がオススメです、どうしますか?といきなり落とした斧はどちらでしょう?的な審判を迫られ、では小さい方で。少欲知足。そんな言葉がありましたっけ?
来た道を戻ってふらんす座のステージに置き、で、本日の楽屋からの道線はこちらです、とふらんす座ステージ後ろのカーテンを開いてすぐ左に折れた先にふらんす座とヲルガン座の楽屋がそれぞれ設けられていて、いよいよどんな作りなのか頭の中がグルグルした。

リハ時 photo by ゴトウイズミさん

いよいよ話が長い。独演会のライブの内容は省略して
しかし、これまた全体的にあまり味わったことのないような、
また新たな独演会の可能性を、その手綱にしっかりと手をかけたような感触。

広島からイメージした新曲「カケラたち(仮)」が思っていた以上に
気持ちが乗っかって、それが新鮮だったのかも知れない。次に期待。

ふらんす座、そしてヲルガン座、また次もぜひ。

【11/4 SETLIST】
広島de Show / 独演会ラップ / ろっかばいまいべいびい
祝福のメロディー / My Favorite Things
WALTZ / えふで / Coro Coro   

カケラたち / ともしび / 真夏 / ねつっぽい
ゴロワーズを吸ったことがあるかい
我に返るスキマを埋めろ / ミルフィーユ

en.トンネル抜けて / 愛の讃歌 / 夕焼けのメロディー

THANKS ふらんす座&広島 photo by ゴトウイズミさん

終演&撤収後、本川町駅を越えてそのまま相生橋〜原爆ドーム周辺を一周し
ライトアップされた原爆ドームからは、今まさに感じるべき歴史の凄絶さを脳天に喰らった。

相生橋からの夜景
呆然と見上げている外国の方も多く
願・世界平和

11/5

朝、パチリと眼が覚める。

別にしなくても帰るまで間に合うかな、と思っていたのだが
近所にあるようだったので、必要そうな衣類だけ持ってコインランドリーへ。

一気に乾燥まで仕上げる、と言うタイプのものが全て使用中だったので
とりあえず洗濯〜脱水までのものに放り込みスタート。時間は30分との表示。
意外に短いので、そのまま散歩に出ようとの考えを一旦改め、持参した本を読みながら待つ。

30分経過後、乾燥機に移し、10分100円、薄手のものは30分目安
と言うことで300円で30分、結局こっちも30分かよ、と自身にツッコミつつ
乾燥機の方は幾分空きがあったので、直ちに撤去されることもないであろう、
との算段で、散歩に出る。

目的地は歩いて20分ほどの比治山。
とはいえ、比治山エリアもかなり広いので、さてどこまで行けるか。

大きな川を渡り(広島はこの手の川が多い)
比治山方面へ。途中、側道に入る階段を登り、公園内へ。

比治山の入口、雲霓橋

日曜の朝ということでウォーキングの人も多い。
歩くにはもってこいの立地と勾配なのでしょう。

あっちかなこっちかな、とスマホの地図片手にウロウロ。

比治山猫
歴史的に多様な念が渦巻く場所であることを知る

しばらく登った先には陸軍墓地があり、
どうやら戦前からの歴史がある場所のようで
ふむふむ、しかも墓地の奥では法要のような集いも今まさに行われていて
にわかにタイムスリップしたかのような荘厳な雰囲気が醸し出されていた。

これはライブ前に歩き回るには広過ぎる&ディープ過ぎる
乾燥機にかけている30分をリミットに設けておいて良かった
ということでそろそろ下山するぞ、と入り込んだ小径がこれまたまるで人気のない
山道で、確かに下山はしているもののここで
今世間を騒がせているアーバンベアにでも遭遇したら一巻の終わりだなぁ、
ニュースになっちゃうのかなぁ
なんて考えている時に、先の曲がり角からパッとウォーキング中の方が現れた時には全身に冷や水を浴びたような心持ちであった。

頭上の木々からどんぐりがポトポトと落ちてくる音にも時折ドキリとする。

結局40分ほど歩き回ったか。
乾燥機から取り出した衣服はまだほんのり温かくて、もう20分くらいは歩いてきても良かったかなと思いながら宿に戻る。

どうしてどうして、話が長過ぎる。

そんなこんなでチェックアウト後、広島Cave-Beに入る。
ライブのことはこの先もまだまだ続きがあるので、割愛。
いつになく笑い声の多い内容であったことだけ追記。
広島でのワンマンは昨年の12/18以来のことだったので、
ハッピーな気持ちのまま終われたことはこれ幸いなこと。


そうよ。きっと。
そうかな。
ひとりじゃないのね。
べつべつなんだけど。ひとりじゃない。
ほんとかな。
あんたいったわね。うれしいっていうことはかなしいっていうことって。
じゃ。かなしいことはうれしいこと?

草野心平「おたまじゃくしたち四五匹」より



終演後、倉敷まで走って一泊。
日本シリーズ第7戦にて阪神の優勝を見届ける。
その後のことは、インスタにも書いたので割愛。

わずか10日間ほどのこととは言え、
ありがたくも濃密に充実した旅先での日々。

今週は旅を一休みしてTHE BAWDIESとの新代田FEVER公演。

その翌週からはまたツアーが再開。
どんな旅になるのか、楽しみ尽きることなし。

ご一緒できる方はぜひ各地ライブハウスでお会いしましょう。

ライブ後の熱燗が沁みる季節の到来。


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