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◆スウエーデン刺繍~「母の刺繍展」で出会った人

10月末に吉祥寺で開催した「第2回 母の刺繍展」には、リピーターの方や、初めてお会いする方たちが、たくさん来てくれて、「刺繍トーク」が弾みました。その一人一人の方から、いろいろな「刺激」を頂きました。そのことを、少しずつ記事に書いていこうと思います。


「障がい児教育」と「スウエーデン刺繡」


「わ~、刺繍だ~」と言いながら、元気にギャラリーに入ってきた二人連れ。ママと小学校高学年の娘ちゃんの親子さん。

たまたま通りかかったのだ。

「刺繍されるんですか~」と私が声をかけると

「私、スウエーデン刺繡をずーっとやっているんですよ。」と返事が返ってきた。

「スウエーデン刺繡」と聞くと、幼い頃、使っていたピアノの「お稽古バック」を、私は思いだす。
母が作ってくれたその「お稽古バック」にされていた刺繍が、たぶん「スウエーデン刺繡」だったような・・・そんな記憶がある。


さらにお話をしてみると、「障がい児教育」の一環として、「子ども達に刺繍を教えてる」と話された。

どのような障がいを持っているお子さんに「指導」されているのかを私は、具体的に詳しく聞かなかったけれど、「障がいのあるお子さんは、一方向にしか、針を進めることができないので、スウエーデン刺繡は、すごく向いているんです。」と教えてくれた。

つまり、行ったり来たりするような「ロングアンドショート」や「サテンステッチ」は出来ないということらしい。

彼女の話を聞いて、最近よく取り上げられるようになってきた「モンテッソリー教育」も、幼い子どもに「針」を持たせることを、私は思った。

手の巧緻性と脳の発達は、深く結び付いている。

確か「モンテッソリー教育」は、もともとは「障がい児教育」から始まっている。

幼い子どもに「針」を持たせることは、危ないことではない。

子どもの「潜在能力」を発達させるのに役立つことは「モンテッソリー教育」が証明している。

私が、そんな話をすると、「この子には、小学校1年生の時から、針を持たせています。」と彼女が言った。

その言葉に、娘ちゃんは嬉しそうに、うなずいた。


これ「スウエーデン刺繡」かも~


私の中で、「スウエーデン刺繡」というのは、「幾何学的な模様の連続」みたいなイメージだ。

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スウエーデン刺繡って、こんな感じです。
(雄鶏社「スウエーデン刺しゅう」・昭和55年(1980年)9月発行より)


いろいろお話をしていると、スッテチは一方向でも、ただの模様だけではなく、例えば「花」とか「動物」とかの「絵」を図案にして刺すこともできることを彼女が、教えてくれた。


母の刺繍本の中にも「スウエーデン刺繡」の本があることを思い出した私は、「刺繍展」が終わって、家の本棚からこの本を見つけ、パラパラと見ていると、このページを見つけた。
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(婦女界出版社「スウエーデン刺繍」昭和39年(1964年)発行より)

⤴︎
この「バラの刺繍」の写真を見て、娘ちゃんと来場してくれたあのママが言っていたことは、「こういうことか~」と分かった。


そして
「あれ! これって、ウチにもあるよね、スウエーデン刺繡かも~」と思ったのが、このクッションだ。
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部屋の片隅に置きっぱなしのクッション。


後日、母に「これって、スウエーデン刺繡のステッチだよね?」と聞くと、なんだかトンチンカンな感じで「へェ~そうなの~」と、他人事のような返事だった。

「ベテラン母の立証」は得られなかったが、刺繍本に掲載されていた写真を見て、「これは絶対、スウエーデン刺繡だ!」という(ほぼ)確信が、私の中で生まれた。


来年の「刺繍展」で、これ展示しよ!

そう思うと、部屋の日当たりのよい場所で、サンサンと日を浴びているクッションを見て「表面が、焼けちゃったらヤダな~」と私は思い、取り合えずサッと裏返した。


「おばあちゃんの刺繍」の思い出から生まれた「娘の発想」

この日、私の娘もギャラリーに来ていて、一緒に「スウエーデン刺繡トーク」に加わっていた。

「小1の時から針を持っている娘ちゃん」の話を聞いた私の娘は、後日、初めて、おばあちゃん(私の母)から、刺繍を教えてもらった時のことを私に話した。

私は、子どもの時に、母から「刺繍を教えてもらった」という記憶が、全くない。

しかし、娘は小学生の時、おばあちゃんが小さな「図案」を布に描いてくれて、それをただ「刺繍糸」で、チクチク刺しただけだったけれど、鮮明に覚えているらしい。

その話を聞いて、

そういえば~・・


薄ピンクの「布」に「麦わら帽子の図案」を刺繍で刺したのを、おもちゃの額に入れてたよね~


あれ、どこにある~??

娘と私は、思い出してはみたものの「あれ、どうしたっけ~」と実物の在りかは、今だ、分からず仕舞いだ。

こうなってくると、ものすごく「貴重なもの」に思えてくる。


娘にとっては、おばあちゃんから刺繍を教えてもらったことは、大人になった今、とても「大切な思い出」だ。

現在、二人の女の子を育てている娘が「子どもの刺繍教室」って、やれないかな~とポロっと言った。

それイイね!

だけど、誰が教えるの、先生がいないよね~。


ん~、言うは易し、行うは難し!


でも、なんでも口にして、言ってみよう!
10回言えば、叶うかもしれない。

私の模索は、まだまだ続く~。

私の「独り言」のような記事、最後までお読み頂き、ありがとうございました(⋈◍>◡<◍)。✧♡





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