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【ルポ】犯罪者ビフォーアフター【第37回】

人はどこまで更生できるのか? 元懲役囚の出所後の人生をみた

受刑者たちがビビる
“最恐”の刑務作業

Yさん(56歳当時)傷害及び覚醒剤取締法違反で5年6ヶ月の判決を受ける。 黒羽刑務所に服役。

イジメの温床


 一昨年9月(取材時)、黒羽刑務所(現在閉所)を取材した。その時は「老人受刑者」の実情を本人から聞かせてもらったが、彼らは要介護老人で職員や用務者(受刑者が指名されている)のサポートがないと作業も日常生活もおぼつかない人たちだった。刑務作業は「養護工場」を指定されていた(ハンガー組み立てなどの単純作業が与えられている)。一般受刑者が働く工場は8ヵ所あり、そこでは木工製品、機械部品、印刷物などを作っているが、現場を取材する機会はなかった。

 今回はYさんを通してその実情を取材した。まず、一般受刑者はどのような処遇を受けているのか、概要を簡単に説明しておく。

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