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【愛が生まれた日】デュエットしたい女優No.1・藤谷美和子さんの「謎の小田原徘徊生活」を追跡した時の話

懐かしのあの人あの話題、時を経たいま読んでも味わい深いナックルズ名作アーカイブス。今回は2012年7月号より、一部でささやかな反響を呼んだと囁かれるこちらの記事をどうぞ。

「催眠術師が犯人だと思いますよ」

 2012年4月、写真週刊誌などの報道により明るみになったその姿は衝撃的なものだった。女優・藤谷美和子さんが数年前からほぼ毎日、小田原駅周辺に現れ、野良猫の世話をするなどの「徘徊生活」を送っているのだというのだ。

 心配だ。

 取材班は急遽、小田原に飛んだ。
 4日間のハリコミの末、我々の前に現れたのは全身黒尽くめでカートを引く女性。このオーラは間違いない……。

ふ、藤谷さん!? この日は最高気温24度の暑さにもかかわらず、真っ黒なコート姿だった
100円ショップに立ち寄る。約20分ほど店内をめぐり、ビニール袋いっぱいにお買い物
藤谷さんほどの国民的スターが電車移動とは意外だが、乗客は誰も気づいていない様子

ーー藤谷さんですよね。雑誌の者なんですが、最近の報道について……。

「はい、あーごめんなさい、えーと、どこの本ですか」

ーー実話ナックルズです!

「うわー、それは……」

ーーご存知でしたか!?

「いや知らないです」

ーーじゃあいま持ってきますね!

「いいです。ちょっとエロい本ですよね。うーん、わかった。そしたらね、えーとね、わたしは催眠術師が犯人だと思いますよ」

ーーえっ、催眠術師って誰ですか?

「催眠術師はね、アメリカでもちょっと問題になっていて、あんまりそれが女の子たちは嫌いだから、それをやると男の子は嫌われちゃうんで、男の子はできるだけ、だからアクティブな、うーんカッコイイ、運動したりしてね」

ーーなるほど。ところで、世話していた猫ちゃんはどうしているのですか?

「本当はね、猫ちゃんはわたしの猫ちゃんではなくて、GPS打たれちゃったみたいで、勝手に持って行くと大変で、本当は洗ってあげたかったんですけどね」

 ここで写真を撮り始める取材班。

「あ!写真はダメです。ちょっと今日はダメなんです。ちょっとそれはねー、まずいですよ。日本がまたダメになっちゃいますよ。サンフランシスコ条約がイミグレーションで…」

ーーすみません! でも、僕と2ショット写真撮ってもらえないですか。ファンなんです!

「それはダメなんです。オフはオフなんで」

ーーいや大変失礼しました。すみません本当に。

「運動すると結構いいですよ」

ーーえっ、運動したらモテますかね? 僕、実は趣味でバスケやっていて、先日足をくじいちゃったんですよね。

「モテようとするからくじくんですよ。それなら冷凍美容がいいですよ、マイナス180度で冷やすんです。世界観が変わりますよ。土の中にね、自然に生きているんだって気になる」

ーーご助言ありがとうございます。ちなみに、紀宮さま(黒田清子さん。藤谷さんは2003年に紀宮さま宛の手紙をもって皇居に向かうという騒動を起こしている)についてはどうでしょう?

「あれは(夫の)岡村俊一くんが雅子さまの親戚か従兄妹かなんかみたいで、それをわたしに言わせたかったみたいですよ、岡村くんは。わたしは知らないから、うーん」

ーー最近、歌は歌ってないんですか?

「うーん、それはいろいろありますね」

ーー僕、「愛が生まれた日」大好きなんですよね。

「わたしも好きです」

ーーじゃあちょっといまからカラオケでも行きませんか!

「ごめんなさい、わたしタバコ吸ってる人がいたあとの場所はね、苦手なんですよね」

 ほどなくして迎えの車が到着した。

ーーあっ、最後にサインお願いできないですか。ファンなんです!

「それはダメです」

徘徊、もとい買い物を終えたところを直撃すると、きさくに応じてくれた藤谷さん

 こうして約10分間の直撃インタビューは幕を閉じた。
 僕と藤谷さんの間に愛が生まれることはなかったわけですが、いまも往時と変わらず魅力的なひとでした。
(取材・文=編集部)

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