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個人面談などの日程の調整をAIにやってもらうことができるか検証

保護者からの希望日程をお伺いし、スケジュール調整をする作業は、なかなか複雑で手間のかかる事務作業の一つですね。特に仕事の都合で夜遅くを希望される保護者が多いクラスや、一クラスの人数が40人程度になると、スケジュールをパズルのように組み合わせるのが一苦労です。

このような大変な作業をAIが支援できれば、先生方の業務効率が大きく向上するかもしれません。そこで、今回はAIがどのように日程調整の負担を軽減できるかを検証してみました。先生方の時間をもっと教育活動に注ぐことができるように、私たちは技術を活用する方法を考えています。


まずは表作り

今回は40人学級で、面談の期間は5/20〜5/24の5日間という想定で設定しました。まずはスケジュール表を作成します。

プロンプト例:

スケジュールの調整をお願いします。 
まず、以下の条件をもとにテーブル形式で表を作成してください。
・左に時刻、上に5/20日、21日、22日、23日、24日のテーブル表の形式で出力する  
・時刻は13:00-16:00までの間、1枠は10分で枠と枠の間に5分間誰も入れない時間を作る。また、その誰も入れない時間は表の中には入れない。
・13:00〜13:10というように、1つ枠が10分であることが明確になるよう表示する。
こちらはChat GPTの画面。
Google Geminiでは同じプロンプトでも期待した結果が出ず、追加の修正が必要でした。

この表はExcelやスプレッドシートにそのままコピー&ペーストで添付可能です。また、Excelが苦手な方はWordファイルに出力も可能です。
ChatGPTを利用して、表の作成もスムーズに行えることが確認できました。

希望日時の入力

いよいよ、提出された希望日通りに表に入力されるかの検証です。

以下は、出席番号とそれぞれの希望日時です。上記の表に、40人がそれぞれ希望する日時のうちのどこか
1箇所のみに出席番号を表示してください。
同日の同時刻に2人以上が重なることがないようにしてください。
40人分全員を表に入れること。どこにも入れない人がいる場合は、報告してください。
このように全員分の入力をしていきます。氏名(個人情報)は入力できないため出席番号としています。

エラーが発生しました。この段階では、入力されたプロンプトが原因でエラーが出たのか、それともChatGPTを使用してのスケジュール調整自体に困難があるのかが明確ではありません。そこで、プロンプトを見直し、改善してからもう一度試してみることにします。

プロンプトの改善

ChatGPT(有料版)には、2023年11月に導入されたGPTsという機能があります。これにより、ChatGPTを特定の目的に合わせてカスタマイズし、個々のニーズに応じて設定することが可能です。さらに、これらのカスタマイズされたGPTsは他のユーザーと共有でき、300万種類以上のバリエーションが公開されており、多様な用途に応じた使い方が広がっています。

今回はプロンプトを改良し、より洗練されたプロンプトを提案してくれるGPTs、Prompt Polisher を使ってプロンプトの改善を試みます。

以下のチャットボックスに上手くいかなかったプロンプトを貼り付けて、出力として上手くいくようにプロンプトの改良を依頼するだけで使えます。

普段のチャットの様に改善してほしいプロンプトを入力します

提案されたプロンプト:

個人面談の日程調整 
以下に、出席番号とそれぞれの希望日時を示します。提供された表を使用して、各生徒を希望する時間の中の一つにのみ割り当ててください。出席番号がない生徒は予定が柔軟なため、最後に手動で割り当てます。

目的:  
可能な限り全ての時間帯に生徒が均等に分配されるようにして、バランスを取ってください。
同じ日に同じ時間帯に2人以上が重複しないようにしてください。 
同じ生徒を複数のスロットに割り当てないでください。
全日時可能な家庭は後から手動入力も可能なので、エラー排出を避けるために一度除外しました。

今回の結果

上記のプロンプトでChat GPTから返ってきた結果がこちら

今度はエラーは出ず、表に割り当てられました。しかし、同じ生徒が重複してしまっていることなどから、ChatGPTに面談などのスケジュールを組ませることは難しいことがわかりました。GoogleのGeminiでも試してみましたが、やはり希望通りの結果は返ってきませんでした。

現時点では、AIによる自動スケジュール調整は完璧とは言えず、人力での対応が必要不可欠のようです。
Excelやスプレッドシートの関数などを用いて効率化を図ることはできるかもしれませんが、AIに全てを任せるのは難しいのが実情です。

例えば、以下のような関数を使うことで、ある程度の自動化は可能かもしれません:

  • COUNTIFS関数:特定の条件に合致するデータの個数を数える

  • VLOOKUP関数:別のテーブルから値を探して返す

  • IF関数:条件に応じて異なる値を返す

ただし、これらの関数を使いこなすには一定のExcelスキルが必要です。また、複雑なスケジュール調整には限界があるため、完全な自動化は難しいでしょう。

まとめ

残念ながら、今回は期待通りの結果になりませんでした。しかし、各社がAIの精度向上に向けて開発を続けています。Chat GPTは2024年夏頃に最新の大規模言語モデル「GPT-5」がリリース予定と言われています。3.5から4になった際に大きく進化したことを考えると、今後は実現できる日が来るかもしれません。

忙しい中での試みがうまくいかない時のストレスや時間の無駄を減らせるよう、今後も現場で役に立ちそうなアイディアをテストし、その結果を共有していきます。ぜひ引き続き、私たちの活動にご注目ください。

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