タロウとジロウ。〜僕が岡本太郎を好む理由〜

どうも、ライターの北林"治朗"です。

今日は僕の好きな岡本"太郎"の話をしようと思う。

太郎と治朗。

名前が似ているクリエイティブな二人。

特別な縁を感じるだろう。

だが、僕らはただ名前が似ているだけじゃなく、ある特殊な関係性を持っている。

今回は、その話をしてみようと思う。


僕らが出会ったのは、僕が初めて渋谷の街を歩いた時のことだ。

当時の僕はゴリッゴリの自信満々で、いつも堂々と歩いていたものだった。

だが、この時ばかりはそうじゃなかった。

なにせ、初めての渋谷だ。

見るもの聞くもの全てが新しくて驚きの連続だった。

一番驚いたのは、「女のレベルが高すぎる」ことだ。

東京 a.k.a. TOKYOはどこにいっても女のレベルが高い。だが、渋谷のギャルはその中でも別格だ。

あまりにもレベルが高いので、僕はショーウィンドウの前を通るたびに自分の姿を確認し、「キモくないか」「イモだと思われないか」をチェックしていた。

多分、僕はキモくはなかったと思う。

けど、今ここで、前を歩いている可愛い子に声をかけられるか?と聞かれると、無理、としか答えられなかった。

それぐらい、僕は圧倒されていた。

一応、頭の中でシュミレーションはしてみた。だけど何回やってもダメだった。

無視されるかもしれない。笑われるかもしれない。イケメンの彼氏が現れて、イケメンたちにボコられるかもしれない。

そう思うと僕は怖くなって、何もせず街をただ歩いていることしか出来なかった。

言い訳じゃないけど、僕はメンタルも強いし喧嘩も強い。だけど、「初めての」「渋谷」「ギャルに声かける」って、「どんな人でも無理」だと思うんだよね。これは僕だけじゃなくて、ほとんどの人に共感してもらえると思う。

でも、まあまあショックだったんだよね。

僕の目の前には華やかな世界がある。

なのに、自信のない僕は何もすることができない。

僕の生きてる価値って何なんだろう?

僕はこの時、生きる意味を見失って、人生について深く考えるようになっていた。

今考えると、めっちゃウケるでしょ?

いや若いな〜wって思うでしょ?

そんなキャラじゃなかったのに。

ジロウ。オマエハナゼイキテイル?

そんな問いへの答えもなく、ストレスで白髪になりそうになりながら、死んだ目で彷徨ってたんだよね。

・・・。

そんな時である。

僕の目の前に、謎の作品が現れた。

奇妙でいかがわしい物体。

岡本太郎の作品だ。

僕はこの時まで岡本太郎を知らなかった。出会いは突然だった。

「何だこれは!」

思わず叫んだよね。

太郎の作品を見て、僕は「ビビッと」来た。

ただビビッと来たんじゃない。

「VIVIDに」「ビビッと」来たんだよね。

いやピカチュウの10万ボルトか!と突っ込みたくなるぐらい、僕の身体の中を電流が走ったのだ。

僕は足を止めて、作品の前に立ち止まった。

じっくりと作品を眺めた。

それからどれくらい時間が過ぎただろう?

僕は飽きることなく何時間も何時間も作品を見続けた。

それくらい、「タロウ」の作品は「ジロウ」の心を掴んだわけ。

この時の僕を見て、ギャルたちは気持ち悪がって避けていたかもしれない。だが、そんなことすらも僕は気にならなかった。

渋谷と言えば何?

女?ファッション?ミニスカート?

違う。岡本太郎だ。

ギンギンに固くなったアート魂で、僕ははっきりそう断言した。

これが、僕と岡本太郎の出会いだった。

・・・。

それから僕は岡本太郎のことを調べた。

知れば知るほど「僕と岡本太郎は似ているかも知れない」と思うようになった。

え、これガチで僕の自伝?とすら思った。

そして何より、「岡本太郎を好きな僕」って「オイシイ」と思っちゃったんだよね。

僕はエンジニアリングが得意だったけど、「つまらない奴」と思われるのが嫌だったから、どうやったらイメージを変えられるか悩んでいた。

そんな僕にとって、岡本太郎との出会いは運命だといっても過言ではない。

「僕、岡本太郎好きなんだよね」

こう言えば確実に僕のイメージを変えられるし、モテる確率もアップするはずだ。

アートとか詳しい人に突っ込まれると答えられないから、あまり大勢の前では言わない。

けど、話の流れの中で言えるタイミングがあれば言っていこうと思った。

例えば、渋谷のギャルが太郎の作品を見て「何だこれは!」って叫んだとするじゃない?

そこに僕が現れて「これ岡本太郎。エグくね?」と解説を始める。

これって、めっちゃ自然な会話の流れだと思わない?

こんな風に自然な流れで「アート」「楽しめる」世界って、最高に素敵だと思うんだよね。


さて、いかがだったでしょう?

こうして僕は「岡本太郎」というブランドにより「僕自身のブランド」を磨くことにも成功したのである。

僕と岡本太郎の関係を意外に思った人もいるかも知れない。

でも、僕らはきっと分かり合えると思ってるし、「タロウとジロウ」ってめっちゃ「オモシロイ」と思うんだよね。

もし僕の記事を見て「何だこれは!」と思った人がいたとしたら、それは僕の作品が「アート」である理由になる。

センスある読者はきっと理解できるだろう。

ではまた。

バイバイ。

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